睡眠の調節には、右の図のように3つのしくみがかかわっており、これらがバランス良く働くことで質のよい睡眠が保たれます。
不眠症は、夜間の不眠症状だけでなく、不眠により日中の生活に支障をきたしている状態です。眠りが気になる場合は、夜間や朝の症状だけでなく、日中の症状も確認することが大切なのです。
体内時計は、睡眠と覚醒を切り替えるスイッチの役割を担っています。そのため、体内時計が乱れると、昼夜のメリハリがつかなかったり、睡眠と覚醒のタイミングがずれてしまい、夜の不眠症状だけでなく、日中の生活にも悪影響が出てしまうことがあります。
眠気がないのに長時間寝床にいると、かえって目がさえてしまったり、睡眠の質が悪くなってしまうことがあります。また、寝床にいる時間が長すぎるとかえって、熟眠感が悪くなることがあります。無理に長く眠ろうとせず、眠くなってから寝床に付き、朝目覚めたら寝床を出るよう心がけましょう。
30分以上の昼寝は、眠気が残り、作業能率が落ちてしまいます。また、午後3時以降に昼寝をすると、夜の眠りを妨げてしまいます。昼寝をする場合は、午後3時までの20分〜30分にしましょう。
不眠症治療では、まずは不眠の原因となっている生活習慣を改善することから始めます。また、生活習慣の改善とともに必要に応じてお薬を使った治療を行います。現在使われるお薬には、大きく分けて3つのタイプがあります。