アリナミン製薬の生薬・漢方薬事典
漢方薬は天然成分の「生薬(しょうやく)」で作られた薬ですが、服用時にはいくつか気をつけなければならないことがあります。漢方薬の正しい服用方法を確認して、漢方薬を上手に利用しましょう。
アリナミン製薬の生薬・漢方薬事典
漢方薬は、医師や専門薬局で処方してもらえるほか、ドラッグストアなどでも市販の漢方薬を購入することができます。
処方薬でも市販薬でも、同じ名前の漢方薬であれば配合されている生薬はほぼ同じです。ただし市販の漢方薬は、成分の含有量を抑えて作られています。
ほとんどの場合、特に問題はありません。むしろ漢方薬と西洋薬の併用は、それぞれの得意分野を活かして治療を行える点から、医療現場でもよく行われています。
ただし、風邪の治療薬でもある「小柴胡湯(しょうさいことう)」とC型肝炎や腫瘍などの治療薬である「インターフェロン」の併用のように、組み合わせ方や体質などによっては副作用がおこったり症状が悪化することもあります。必ず、医師や薬剤師と事前に相談をしてから併用するようにしましょう。
漢方薬は、食前または食間の空腹時に飲むのが一般的。おなかが空っぽのときの方が、有効成分の吸収がよく、食品との相互作用の心配も少なくなるためです。漢方薬の原料となっている生薬のなかには、ジュースやお茶、牛乳などといっしょに飲むと、効きが悪くなったり、反対に効きが強くなったりするものもあります。漢方薬は、なるべく白湯か水で飲むようにしましょう。また、生薬は香りにも効能があります。エキス剤や散剤の場合は、お湯に溶かして、香りを楽しみながら飲むのもおすすめです。
※体質や漢方薬の種類によっては、食後や水で飲むほうがよい薬もあります。服用の際は、必ず医師や薬剤師、添付文書の使用上の注意などよく確認するようにしましょう。
漢方薬を構成する生薬は、すべて天然の植物や鉱物などをもとにしています。また、長い歴史の中でその安全性も認められています。そのため一般的には、化学物質を使った西洋医学の薬に比べて副作用は少ないと思われます。しかし漢方薬も薬なので、不適切な使用によっては副作用を起こすことがあります。
例えば、多くの漢方薬だけでなく、食品にも含まれている「甘草(かんぞう)」。この「甘草」を摂り過ぎると、むくみや血圧の上昇といった副作用を起こしてしまうケースがしばしば見受けられます。
また、アレルギーなどの体質によって、予期せず副作用を生じてしまうこともあります。このような場合、1回目の服用では起こらなくても、2回目、3回目の服用で副作用が表れてくることもあります。
「漢方薬だから」と安易に安心せずに、何か少しでも体に異変を感じたときには、すぐに医師や薬剤師へ相談をするようにしましょう。
漢方薬は、天然成分で作られています。できるだけ変質を防ぐために、直射日光を避け、冷暗所で保管するようにしましょう。また、一般的に流通している漢方エキス剤のほとんどは顆粒状なので、湿気を嫌います。
通常、顆粒のエキス剤は1回分ずつアルミパックで個包装され、湿気は入り込みにくくなっていますが、湿度の高い場所での保管はなるべく避けたほうがよいでしょう。
また小さな子どもがいる家庭では、誤って口に入れないよう、手の届かない場所に置くようにしましょう。
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