かくれ脱水

かくれ脱水とは、脱水の初期段階にある状態を指します。脱水とは体液(水分量)が不足した状態で、おもな症状は脱力感や倦怠感、口腔粘膜の乾燥などです。人間の体は約60%が水分であり、1日に2.5L近くの水分を尿・便・呼吸・汗から排出しています。失った水分を補うためには、食事や飲みものから同じだけの水分摂取が必要であり、飲み水として摂る量の目安は1日約1.2Lです。

脱水は、暑い季節だけでなく寒い季節にも危険が潜んでいます。気温が低く空気が乾燥し、暖房器具などの使用により湿度が下がる秋から冬は、皮膚や呼吸により水分が失われます。夏と違って汗をかいたり、のどが渇いたりしにくいため、気付かないうちに体内の水分量が減ってしまうことがあります。

かくれ脱水は自覚症状が乏しいですが、放置していると脱水症状に進行するおそれがあります。以下の方法で簡単にセルフチェックができます。

  • (1)爪を押したあと、白からピンク色に戻るのに3秒以上かかる
  • (2)手の甲をつまんだとき、皮膚がすぐに戻らない
  • (3)尿の色が普段よりも濃い

上記の症状に当てはまる場合はかくれ脱水が疑われるため、早めに水分補給しましょう。

ただし、アルコール飲料やコーヒーなどのカフェイン入り飲料は利尿作用が強く、飲んだ以上の水分が体外に排出される可能性があります。かくれ脱水が疑われる場合には、アルコールやカフェイン入り飲料ではなく、水や経口補水液で水分補給するとよいでしょう。

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