糖尿病は、血糖値が慢性的に高い状態(高血糖状態)になる生活習慣病です。高血糖状態が続くと、糖を含んだ尿が大量に排出されるため体内が脱水状態になり、口の中が渇きやすくなります。すると、唾液の分泌量の低下により口の中が汚れやすくなり、口臭がきつくなります。また、免疫力が低下するので歯周病にもなりやすいといわれています。
糖尿病によるドライマウスは、唾液腺機能が正常で、体内の水分量の減少により唾液分泌量が減少することによります。しかし、高血糖状態が長く続くと唾液腺の働きも障害されます。また、血糖値が良好にコントロールされている方では口の中が渇くことは少ないようです。
くも膜下出血、脳出血、脳梗塞などの脳血管障害
くも膜の内側の動脈が破裂して起きるくも膜下出血、脳内の血管が破れる脳出血、脳内の血管が詰まり脳細胞が壊死する脳梗塞。
これらの脳血管障害は生命に危険が及ぶ場合がありますが、生還したときでも運動麻痺などの後遺症が残ることが少なくありません。唾液の分泌をつかさどる中枢神経が障害を受けることによります。
シェーグレン症候群
体を守る免疫の異常によって起こる疾患で、唾液を分泌したり、涙を流したりする組織を自分の細胞が攻撃してしまう病気です。唾液腺の破壊により唾液が分泌できなくなり、口の中の乾燥症状が起こります。
発症の男女比は1:14と圧倒的に女性に多く、発症は40〜60代に集中し、50代にピークがあります。なお、ドライマウスの原因がシェーグレン症候群によるものか、それ以外の原因によるものかで治療薬が異なるので、ドライマウスの診断ではシェーグレン症候群か否かの検査を行います。
更年期障害
唾液は女性ホルモンのコントロールを受けて分泌されています。女性ホルモンのバランスが乱れると唾液の分泌が減少し、口の渇きを感じることがあります。
また、更年期障害の症状をやわらげるための薬の副作用で唾液が減少することもあります。
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