アリナミン製薬の生薬・漢方薬事典

生薬図鑑

アリナミン製薬の漢方製剤や生薬製剤で使用している生薬一覧です。生薬の基源や効能、それぞれの生薬にまつわるこぼれ話などを詳しくご案内しています。個々の生薬について知りたいときなどにぜひご活用ください。

“嫌われ者”な悲しきヒーロー

香附子コウブシ

カヤツリグサ科ハマスゲの根茎を乾燥したもの。

植物の特徴

草丈20~40cmの多年草です。茎の断面は三角形、葉は線形で先は次第にとがっています。夏から秋にかけて、茎の先から枝を出し濃茶褐色の穂をつけます。生薬には、乾燥させた根茎を用います。大粒で内部が淡色、香りの強いものが良品です。

生育地

中国、韓国、台湾、日本、その他熱帯、亜熱帯地域に広く分布しています。
現在では中国、韓国、北朝鮮、ベトナムから輸入されています。 日本では鹿児島や徳島でわずかに生育しています。

成分組成

精油0.6~1.0%が含有されています。精油の主成分としてセスキテルペノイド系のα-キペロンが含まれるほか、キペロール、キペレン、スゲオノールなども含まれています。

この生薬が含まれている漢方処方

  • 香蘇散(こうそさん)
  • 女神湯(にょしんとう)
  • 香砂平胃散(こうしゃへいいさん)
  • 行気香蘇散(こうきこうそさん)
  • 香砂養胃湯(こうしゃよういとう)
  • 清心温胆湯(せいしんうんたんとう)
  • 香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)
  • 正気天香湯(しょうきてんこうとう)
  • 芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)

など

その他の生薬をチェック