ゲーム依存(ゲーム障害)は、ゲームに関する行動を自分自身で制御できなくなる病気です。2019年にWHO(世界保健機関)が新たな国際疾病分類において「ゲーム障害」を病気として認定しました。
ゲーム依存の世界的な有病率(ゲーム障害の疑い率)は約3-4%と推計され、日本の調査では特に若年層で高い値となっています*。
ゲーム依存は、単に「注意してもゲームをやめない」という状態ではありません。ゲームを長時間おこなうことで、脳の神経伝達物質である「ドーパミン」の受容体が減少するため、ゲームに対する欲求や衝動を自分の意思で制御できなくなると推測されています。薬物依存やアルコール依存と同じように、自分の意思ではコントロールできない「病気」であり、周囲がゲームをやめるよう強く責めるのは、逆効果になるおそれがあるため注意が必要です。
ゲーム依存では、朝起きられない、昼夜が逆転する、十分な食事を摂らない、ゲームの使用を制限されると暴力をふるう、高額な課金をしてしまうといった生活への影響が生じます。
本人だけでは改善が難しいゲーム依存は、周囲のサポートが不可欠です。使用時間が少しでも減れば評価するなど、寄り添う気持ちで関わるのが重要です。家族だけで対応が難しい場合には、ゲーム依存治療に対応している専門の医療機関への相談を検討してみましょう。
*ゲーム障害調査研究会. ゲーム障害全国調査報告書. p.7, 2023.