膀胱に炎症などの異常がないのに、頻尿になることがあります。精神的なストレスや緊張、不安が主な原因になると考えられています。神経性頻尿では、頻繁に尿意を感じるのにトイレにいってもほとんど、ときにはまったく尿が出ないことがあります。
膀胱炎
膀胱内に細菌が侵入して炎症を起こすのが膀胱炎です。長時間のトイレの我慢や、過労による抵抗力の低下、冷えによる水分代謝の低下などが原因で起こります。膀胱炎になると尿意が近くなり、残尿感、排尿時の痛み、尿の濁りや血尿などの症状があらわれます。圧倒的に女性に多く、再発しやすく慢性化すると尿が溜まるだけで痛みが生じます。尿管炎、腎盂腎炎、尿道炎など尿の通り道に炎症が起こることでも、膀胱炎と同様に頻尿が起こります。
過活動膀胱(OAB)
過活動膀胱は膀胱が必要以上に過敏に活動することで、頻尿が起こる疾患です。主な症状は突然尿意に襲われ頻尿になり、ときには我慢できずに尿を漏らしてしまうことがあります。また、就寝中に3回以上トイレに行く夜間頻尿もみられます。さらに進行するとトイレが頻繁すぎて、仕事も外出もできなくなり、生活に支障をもたらすこともあります。とくに40歳以上に多くみられます。脳卒中や脳腫瘍などが原因となることもあります。
前立腺肥大症
男性が60歳を超えるころから増える疾患で、大きくなった前立腺が尿道を圧迫することで尿のトラブルが起こります。尿の勢いが弱くなり、尿が出るまでに時間がかかるために排尿後も残尿感があり、夜間の排尿回数も多くなります。さらに、進行すると尿がまったく出なくなるケースもみられます。前立腺がんの症状とよく似ているので、注意が必要です。
子宮筋腫
子宮にできる良性腫瘍。30〜40歳代に多く、成人女性の5人に1人は筋腫があるといわれています。初期の自覚症状はほとんどありませんが、筋腫が大きくなると生理痛が強くなり、経血の増加や期間の長期化がみられます。そのため、貧血やめまい、立ちくらみなどを引き起こします。また、周囲の臓器にも影響を与えて、頻尿や排尿、排便ときの痛み、腰痛を起こすこともあります。不妊や流産の原因にもなります。
子宮脱(性器脱)
40代後半から60代の女性に増えている疾患です。加齢による女性ホルモンの低下や出産などによって骨盤底筋がゆるむと、骨盤底筋に支えられていた子宮が下がっていき、やがて体外に出てしまうのが子宮脱です。頻尿や尿漏れなどの尿に関するトラブルをはじめ、不快感や便秘、腰痛などの症状を引き起こします。
糖尿病
すい臓でつくられるインスリンの分泌や作用が低下し、血糖値が慢性的に高い状態になる生活習慣病です。血糖コントロールがうまくいかないと、体の組織の水分が尿として排泄されてしまうため、頻尿になります。さらにのども渇きやすくなるので、水をたくさん飲むために尿量も増え、夜中に何回もトイレに行くことになります。