細菌やウイルスに感染し、中耳に炎症が起こる疾患です。風邪やインフルエンザなどの感染症の後に、耳の詰まった感じや痛みに襲われたときは中耳炎を疑う必要があります。中耳に膿が溜まり、その膿が出口を求めて鼓膜を圧迫するために強い耳の痛みが出て、発熱をともないます。鼓膜が破れると、溜まっていた膿は黄色っぽい粘り気のある耳だれとして排出され、痛みが軽減されることがあります。
慢性化膿性中耳炎
慢性化膿性中耳炎は難聴と粘り気のある耳だれがあり、ほとんどの場合、耳の痛みは起こりませんが、悪化すると耳だれの量が多くなり、耳痛や頭痛が起こることもあります。病状が悪化して周囲の組織を障害すると難聴が起こります。慢性中耳炎の多くは、急性中耳炎の繰り返しによるものです。
真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)
鼓膜の一部が奥に入り込んで、そこに垢や老廃物がたまって塊が形成されます。その塊が真珠のように見えることから真珠腫性と呼ばれています。腫瘍と間違われやすいのですが、腫瘍ではなく炎症性の疾患です。主な症状は耳だれと難聴ですが、初期の段階ではみられません。たまった塊に細菌感染が起こると膿や血液の混じった耳だれがみられるようになり、痛みが強くなります。治療しないと重度の難聴や顔面神経麻痺、髄膜炎を起こすことがあります。
外耳道炎
耳の入り口に近い外耳道に炎症が起きる疾患で、ひっかき傷に細菌が感染したり、傷のある外耳道に水が入ることなどによって起こります。耳の入り口付近にかゆみや痛みが生じ、腫れによる異物感や詰まった感じとともに、耳鳴りや粘っこい耳だれがみられます。口を動かしたときや、耳たぶを引っ張ったり押したりすると痛みが強くなるのが特徴です。