生理痛の他に、頭痛や腰の痛み、吐き気、嘔吐、めまい、下痢、発熱、倦怠感などの不快な症状が生じ、日常生活に支障をきたすほどになるのが月経困難症です。ストレスや冷え、きつい下着などによって症状が強くなります。原因がはっきりとしないことが多いのですが、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となる場合もあります。
無月経
18歳になっても生理が始まらないのは、染色体の異常など先天的な原因が考えられます。治療できるケースもありますので、早めに診察を受けましょう。また、普段は生理がありながら、妊娠していないのに3カ月以上生理がない状態も無月経にあたります。原因の多くは心因性のもので、人間関係のトラブルや大きなストレスなどで起こります。その他ダイエットや過度の運動でも生理が止まることもあります。
頻発月経
生理が24日以内と短くて、月に2〜3回も生理があるのが頻発月経です。頻発月経には3つのタイプがあります。一つ目は排卵がなく、正常な生理と比べて出血量が少ないのに10日以上も生理が続くもの。二つ目は排卵があるにも関わらず、基礎体温の低温期が短く、周期の早いうちに排卵が起きるもの。もう一つは、排卵期から次の生理開始までの高温期が短いものです。
無排卵性月経
生理はあるのに、排卵がない状態が無排卵月経です。通常は排卵から生理がくるまでの約14日間は基礎体温が0.3〜0.5℃ほど上昇するはずが低温のままであったり、生理の周期が不安定になるなどの症状があらわれます。また、周期が異常に長かったり短かったりすることも大きな特徴です。若い女性では不妊症の、更年期以降の女性では子宮がんの原因になると考えられています。
子宮筋腫
筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍で、30〜40歳代の5人に1人は筋腫があるといわれています。初期の自覚症状はほとんどありませんが、筋腫が大きくなると生理痛が強くなり、経血の増加や期間の長期化がみられ、貧血やめまい、立ちくらみなどを引き起こします。また、筋腫による周囲の臓器の圧迫などによって、頻尿や排尿、排便時の痛み、腰痛などを起こすこともあります。不妊や流産の原因にもなります。
子宮内膜症
本来子宮の内側にしか存在しない子宮内膜に似た細胞組織が、卵管、腹膣内、直腸の表面など、さまざまな臓器に発生する疾患です。最近は10〜20歳代の若い世代にも多くみられます。激しい生理痛や下腹部痛が特徴ですが、他に腰痛や性交痛、肛門の奥や排便時の痛みや吐き気、嘔吐などの症状がみられるほか、不妊の原因にもなります。
子宮頸がん
20〜30歳代に多い、子宮の入口にできるがんです。多くは性交渉によりHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因となって発症します。初期症状はほとんどなく、感染すると細胞が変化し、数年かけてがんに発展します。進行の途中では、生理の期間が長くなる、不正出血や性交時の出血といった症状があらわれることがあります。
子宮体がん
50代以上に多く、子宮内膜の細胞が悪性腫瘍に変化し、がん化したものです。最近では30代で発症するケースも増えています。無理なダイエットや加齢などで女性ホルモンのバランスが乱れることが原因と考えられています。初期症状のほとんどない子宮頸がんに比べ、子宮体がんは初期の段階から9割の人に不正出血がみられます。その他おりものが茶褐色になったり、生理やおりものの量が増えたりします。