てんかんの約3割は、検査をしてもはっきりとした原因が見つからず、てんかんになりやすい体質によって引き起こされる「特発性てんかん」です。てんかんは子供から大人まで幅広い年齢で発症しますが、高齢者と小児での発症率が高いことが特徴です。また、発熱、ストレス、体の疲労や睡眠不足などはてんかん発作を誘発します。
てんかんの原因となる疾患
脳に何らかの障害や異常があると、てんかんが起きることがあります。乳幼児期では、生まれたときに低酸素や仮死状態などの障害の他、先天異常、髄膜炎や脳炎など、脳の炎症の後遺症でもてんかんが起こります。成人になると増えるのが、頭部の外傷や脳梗塞、脳出血などの脳血管障害、認知症、脳腫瘍によるてんかんです。お年寄りのてんかんの半数以上はこの脳血管障害や認知症が原因となって起こります。
全般発作
脳波の異常が大脳全体に広がる全般発作では、突然意識を失い倒れることがあります。全般発作の中にも種類があり、手足を突っ張るように硬直し手足をガクンガクンと曲げたり伸ばしたりした後、筋肉が緩んで発作がおさまる(強直間代発作)、動作中や会話中に十秒ほど突然意識がなくなり動きが止まる(欠神発作)、全身が脱力してバタンと発作中に意味もなく倒れる(脱力発作)、全身または体の一部の筋肉がビクッと動き場合によっては転倒してしまう(ミオクロニー発作)などがあります。
焦点発作
脳の一部分に異常が起こる焦点発作では、手や顔の一部がピクピク動いたり、体の一部がしびれたり、光がみえたり、言葉が出なくなるなどの症状があらわれます。懐かしい感じがする、怖い感じがするといった症状もあります。これらの症状は前兆(アウラ)として生じ、これらの症状に引き続き、だんだんと意識が曇ってくるような発作が起きるケースもあります。発作中に意味もなくまわりの物をさわるといった自動症がみられることがあります。