やけどの原因で最も多いのは、火や熱湯などの熱を帯びたものとの接触です。45℃以上では1時間、70℃の場合では1秒間触れるだけで皮膚の損傷が始まります。とくに子どもがいる家庭では、アイロンを扱うときや調理中のキッチンに子どもが近付かないように細心の注意を払いましょう。
体温よりも高い温度のものとの長時間の接触
ホットカーペット、湯たんぽ、使い捨てカイロなど、熱湯などと比べ低温のものでも長時間皮膚が触れていると、触れている部分に熱がこもってやけどします。これを低温やけどといいます。この低温やけどは湯たんぽによるものが多いのですが、最近ではノートパソコンの放熱によって手のひらなどをやけどするケースも報告されています。軽症のようでも、皮膚の深い部分までやけどが達していることがある上に、低温やけどは冷やしても効果がありませんので、早めに専門医を受診しましょう。
強酸、強アルカリ性の化学物質との接触
塩酸などの強い酸性、苛性ソーダなどの強いアルカリ性の化学物質に触れることでやけどと同じように皮膚が損傷します。これが化学熱傷です。家庭でも良く使う排水パイプ用洗剤、消臭剤、殺菌剤、漂白剤、トイレ用洗剤など、意外に身近なものが原因になりますので、注意が必要です。化学物質によってやけどをした場合は、通常のやけどよりも長時間(30分以上)流水で洗浄することが大切です。