頭痛(片頭痛)
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頭痛(片頭痛)

こめかみ部分の動脈や脳の血管が拡がり、血流が増すと、その周辺の神経が刺激されて起こる頭痛のことをいいます。主に頭の片側にズキンズキンと脈打つように痛むのが特徴です。体を動かすと痛みが激しくなり、仕事や家事など生活に支障をきたす頭痛です。女性に多く、慢性的に繰り返す頭痛です。

井上修二 先生

監修

井上修二 先生 (いのうえしゅうじ) (共立女子大学名誉教授、医学博士)

日常生活から考えられる原因

季節の変わり目などの温度変化

急に暖かくなる季節の変わり目や、お風呂でシャワーを浴びているときなどは、体温調節のために血管が拡張し、頭痛が引き起こされることがあります。

女性ホルモンの変動

片頭痛は女性ホルモンのエストロゲンの変動と深い関わりがあります。そのために、生理中とその前後に片頭痛に悩まされている女性は少なくありません。

ストレスから解放されたときの緊張緩和

ストレスを受けているときは、血管も緊張して縮んでいる状態になります。緊張やストレスから解放されたときに、収縮していた血管が急に拡張しやすくなり、片頭痛が起こることがあります。

頭痛(片頭痛)の症状

ズキンズキンという断続的な痛み

脈打つようにズキンズキンと、こめかみから目の辺りが痛みます。音や光に過敏に反応し、痛みが増し、ガンガンと痛むことがあります。頭の片側に起こることが多いですが、両側や後頭部が痛くなったり、吐き気や嘔吐の症状があらわれることもあります。痛みは、4時間くらいから、3日間ほど続きます。

10代から始まることも多い頭痛の悩み

頻度の高い人で週1回、少ない場合は年に数回、月に1回程度という場合もあります。片頭痛に悩む多くの女性は初潮の始まる10代ごろから発症し、その後40代くらいまでつらい症状と付き合っていく場合もあります。

視界にキラキラ光るものが出現する前兆

片頭痛が起こる前に、前兆を感じる人が多くいるといわれています。主な前兆には、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれるもので、視界に急に星やキラキラしたものが見え始め、視界の一部が遮られます。他にも、生あくびやめまい、情緒不安定など、さまざまな体調の変化を感じる場合もあります。

日常でできる予防法

マグネシウムとビタミンB2をとる

マグネシウムが不足すると血管が痙攣し、痛みに敏感になることがあるといわれています。マグネシウムは、玄米や納豆、ひじきなどに多く含まれています。また、血流を良くする働きのあるビタミンB2は、牛や豚のレバー、卵黄などに含まれているので、日頃から意識的にとるように心がけましょう。

対処法

片頭痛の前兆を見逃さない

片頭痛が起こるとわかっていれば、少しは気が楽になったり、対策をとりやすくなります。閃輝暗点や生あくびなどの前兆を見逃さないようにしましょう。

患部を冷やし、暗く静かな場所で休む

片頭痛は体を動かしたり、まぶしい場所やうるさい場所では痛みが激しくなるので、できるかぎり暗く、静かな場所で休むようにしましょう。血管の拡張を少しでも抑えるために、アイスノンや冷えるジェルシートなどを貼るのも効果的です。また、コーヒーや緑茶に含まれるカフェインは、血管収縮作用があるので、頭痛を抑える効果があるといわれています。

市販の薬を使う

頭痛で仕事や日常に支障をきたす場合は、自分に合った市販薬を服用して、痛みをコントロールすることも一つの方法です。薬には、ピリン系、非ピリン系、イブプロフェン系という代表的な成分の3系統があります。頭痛の前兆があったら、すぐに服用してみて、効果があるかどうか確認して、自分に合った薬を見つけておくのも一つの方法です。

病院で診察を受ける

痛みで日常生活に支障が出る場合などは、他の疾患が隠れている場合もあるので、あまり我慢せず、主治医や、内科の頭痛外来か、神経内科などの専門医で診察を受けましょう。

プチメモ鎮痛剤の複数服用による、薬剤誘発性頭痛

鎮痛剤の複数服用による、薬剤誘発性頭痛

片頭痛の痛みを抑えようとするあまりに、複数の鎮痛剤を服用したり、連日のように鎮痛剤を飲んでいると、かえって痛みを感じやすくなり、慢性的に頭痛を感じる薬剤誘発性頭痛を招くことになってしまいます。
薬剤誘発性頭痛は治療が困難といわれています。また、薬の多用による胃腸障害を引き起こす可能性もあります。
週に2日以上鎮痛剤を飲む状態が3ヵ月以上続いている場合や複数の鎮痛剤を組み合わせて使用している場合などは薬局や病院に相談しましょう。