コロナ禍での
リモートワーク。
気づかぬうちに
疲れているかも?
2020年4月の緊急事態宣言以降、会社には出社せず、テレビ会議のシステムなどを活用して、自宅での「在宅勤務」を推奨する企業が増えています。
「リモートワーク」や「テレワーク」と呼ばれる新たな働き方は、場所や時間にとらわれない柔軟性がある一方、慣れない生活スタイルに疲労や倦怠感を感じはじめている人も少なくないようです。
ここでは、コロナ禍でのリモートワークによって感じる疲れについて、その原因と対策をご紹介します。
※本記事は専門家監修記事ではありません。
働く男女267人に聞いた「リモートワーク疲れ」の現状
リモートワークで感じている人は74.2%
Q. リモートワークによって、精神的または身体的な疲れを感じるようになりましたか?
「リモートワークと疲れに関するアンケート」調査概要
・調査対象:マイナビニュース会員 リモートワークをしている男女267名
・調査期間:2021年1月27日(水)~2021年1月29日(金)
・調査方法:『マイナビニュース』会員アンケート(WEB)
疲れといっても、その症状や原因は人それぞれ。そこで、自宅でリモートワークを行っている人(267名)を対象に、「リモートワークによる疲れ」に関するアンケート調査を実施し、実際にどのような疲れを感じているのかを調べてみました。
「リモートワークによって、精神的または身体的な疲れを感じるようになりましたか?」と質問をしたところ、「疲れを感じる」と答えた人は、全体の7割以上(74.2%)に。具体的に下記のようなコメントが集まりました。
・普通の会議の時にはありえない気苦労と、同じ姿勢でいることによる筋肉痛。(30代男性)
・子どもが泣いたり騒いだりして、仕事に集中できる環境ではないため、精神的に参っている。(30代男性)
・座りっぱなしや運動不足による肩こりなど。(30代女性)
・インターネットが遅かったり、面と向かって話すのとは違ったりするのでストレスがたまる。(40代男性)
・オンオフの切り替えができず、家事もあるので心身ともに疲労している。(40代女性)
・自宅に自分の個室がなく、仕事に集中できないので、イライラすることがある。(40代男性)
・コミュニケーションが難しく、気を遣う。 (40代女性)
「とくに精神的な疲れを感じる」と答えた人が31.1%と最も多い結果となり、次いで「精神的にも身体的にも疲れを感じる」(27.7%)との結果に。精神と身体の両方から疲れを感じている人が全体の1/4以上もいることがわかります。
withコロナ時代の疲れ。どのように付き合っていけばよい?(疲れのメカニズム編)
気づかぬうちに疲れがたまってるかも?疲労度チェック
疲れは、リモートワークをしている間にいつの間にかたまってしまい、自分ではなかなか気づきにくいもの。今日のあなたの「疲労度」をチェックリストでテストして、疲れの度合いを確認してみましょう。
リモートワークで疲れる理由は?
精神的な疲れ
精神的な疲れを感じる原因として、リモートワークによって残業を含めた就業時間の管理が難しくなり、ワークライフバランスが失われたり、仕事を抱え込み過ぎてしまったり、同僚とのコミュニケーションが不足したりすることによって、ストレスや不安、孤独感を感じやすくなっていることがあげられます。
また、リモートワークによって自分の時間が増えた一方でオフィスへの通勤時間が減ったことにより、睡眠や食事の時間が変わり、生活リズムが乱れてしまうことがあります。生活の乱れは心身に負担をかけ、精神 的な疲れの原因となることもあります。
アンケート調査では、精神的な疲れに関して下記のような声が集まりました。
・コミュニケーションを取る機会が減ったので、孤独感がある。(20代男性)
・仕事のやり方が変わり、神経を使い、疲労している。(40代女性)
・生活習慣が変わって食事や睡眠の時間が不規則になったせいか、頭がぼうっとしたり、偏頭痛に悩まされたりするようになった。(40代男性)
身体的な疲れ
リモートワークの中でも、家で作業をする「在宅勤務」の場合、ダイニングテーブルや座卓でのパソコン作業を余儀なくされている人も多いようです。業務に適していない空間で、無理な体勢を長時間取り続けることで、ある特定の箇所の筋肉が緊張し、時間の経過とともに筋肉が疲労して、血行が悪くなり、肩こりや腰の痛みとなって出てくる場合があります。
また、パソコンの画面を長時間見続けたり、手元で細かい作業を行ったりすることで、目に疲れを感じ、症状が重いときは頭痛など目以外の症状を伴うこともあります。
アンケート調査では、身体的な疲れについて下記のような声があがりました。
・頭痛と眼精疲労。(20代女性)
・デスクと椅子が合わないのか、腰痛や肩こりがひどくなる。(30代男性)
・ソファの机が低くて、肩がこったり腰が痛い。(30代女性)
・座りっぱなしなので、運動不足で疲れがたまる。(40代男性)
身体的な疲れは、仕事の生産性に影響するのはもちろんのこと、精神的な疲れにつながり、生活の質にも悪い影響を及ばすことがあります。リモートワークによる疲れの予防と対策には、身体的と精神的の両面からのアプローチが必要です。
「リモートワーク疲れ」の予防と対策
仕事環境の見直しをし、パソコンから適正な距離を保つ
パソコンで作業をする際には、机や椅子は身体に合ったもの、または身体に合わせて調節できるものを選びましょう。作業する姿勢で上腕を垂直にし、肘を90度程度に曲げた時にキーボードに自然に手指が届くくらいが理想です。机や椅子の高さを調整できない場合には、足台などを利用するとよいでしょう。
そして姿勢を正し、ディスプレイと目の距離を40cm以上離すようにして、ディスプレイの上端が目の高さと同じか、やや下になるように高さを調節します。長時間同じ姿勢を続けないようにするため、ノートパソコンであれば、前後や左右にパソコンを動かせる程度の余裕を持たせることをおすすめします。
定期的に休憩をとる
長時間、無理な姿勢を続けたり、パソコン画面を見続けたりしないように、定期的に適度な休憩を取りましょう。連続した作業が1時間を超えないように注意して、次の作業に入る前に10~15分の休憩時間を設けてください。
連続する作業の中でも1~2回程度の作業休止をとり、遠くを眺めたり、まばたきしたりするとよいでしょう。
ストレッチなどを取り入れる
パソコンで作業をする前や後には、適度な体操やストレッチなどを取り入れましょう。筋肉をほぐし、血行を改善する他、ストレスの解消にもつながります。作業中にも、椅子から離れて、背筋を伸ばす、首を回すなどのストレッチを行いましょう。
疲れに効果的な食事や栄養素を摂る
元気な心と身体のためには、ビタミン類やアミノ酸を摂ることが欠かせません。玄米、豚肉、卵、納豆、まぐろ、レバー、いちご、レモン、アーモンド、大豆油などの食材が効果的です。
3度の食事で必要な栄養素を摂ることが理想ですが、特に疲れがたまっている時には、身体の状態にあったビタミン剤を活用するのもよいでしょう。ビタミンB1誘導体、ビタミンB6、B12などの成分が疲労の対処におすすめです。
【厚生労働省日本人の食事摂取基準2020策定検討会構成員 監修】withコロナ時代の疲れ。どのように付き合っていけばよい?(食事・栄養編)
※画像はイメージです
「リモートワークと疲れに関するアンケート」調査概要
・調査対象:マイナビニュース会員 リモートワークをしている男女267名
・調査期間:2021年1月27日(水)~2021年1月29日(金)
・調査方法:『マイナビニュース』会員アンケート(WEB)
参考文献
・日本精神神経学会 精神保健に関する委員会 産業保健グループ「新型コロナウイルス感染症:
働く人のメンタルヘルスケアや産業保健体制に関する提言」(2020)
・厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(2019)