症状別対策BOOK
痔を悪化させない、または未然に防ぐための、日常生活で実践できる予防法をご紹介します。
痔
なるべくイキむ時間を短くするよう心がけてください。そのためには、トイレにいる時間を短くすること。目安は3分以内。便はある程度イキめば出るもの。10の便のうち7から8は軽くイキんだだけで誰でもすぐに出るものなのです。
ところが残りの2から3の便を出そうとすると強くイキむことが必要になります。そうすると、肛門にものすごい圧力がかかることになるのです。痔になるのは神経質な人が多いのはこのためです。
残便感があっても、「また便意を催してきてから行けば良い」と気楽に考えることが、痔にならないためのコツです。くれぐれも、「一度に全部出そう」などと考えて強くイキみ過ぎないこと。
よく、毎日決まった時間にトイレに行くことが、正しい排便習慣を身に付けるためのポイントといわれますが、これは痔に関しては逆効果。便意を感じるのは、便が直腸まで下りてきて直腸の壁を圧迫したときです。ですからそのときにイキめば、弱い力でも簡単に便は出ます。
便は直腸まで下りておらず、直腸より上にたまっているときには、便意は感じません。そのため、まだ直腸よりも上にたまっている便を、決まった時間にトイレに行って出そうとすると、まず直腸まで下ろし、さらに排泄するまでに、相当な力でイキむ必要が出てくるのです。
痔の予防には、トイレは便意を感じてから行き、なるべく短い時間で済ますようにすることです。
排便後のケアは、排便のしかた同様最も重要なポイントです。
肛門は、閉めたり緩めたりを繰り返し行なう場所ですから、しわだらけです。紙で拭(ふ)くだけでは、そのしわに便を擦(こす)りつけていることとあまり変わりありません。便の中には刺激物質が数多く含まれていますから、紙で拭くだけでは痔をかえって悪化させることになりかねません。お湯で洗い流すことによって便の付着は減りますし、痔の様々な症状も治まるのです。
洗浄器付きトイレがあれば理想的ですが、なければシャワーで洗い流す。あるいは、ぬれティッシュや洗浄綿紙などでやさしく拭き取ることをおすすめします。
入浴することによって体が温まり、肛門周辺の血行がよくなります。また、肛門も清潔に保たれることになります。
長い時間座っていたり、立ったままでいると肛門がうっ血するようになります。ときどき軽い体操をするなど、適度の運動を心がけましょう。
便通異常が痔の最大の原因です。食物繊維の多い食事を摂って便秘を予防する、暴飲暴食を避けて下痢を防ぐようにする、など、日頃から正しい排便を心がけるようにしましょう。
腰を冷やすと肛門周辺の血行が悪くなり、うっ血します。
こしょうや唐辛子など香辛料の大部分は体内に吸収されず便として排泄されるので、肛門が刺激されます。また、アルコールを大量に摂取するとうっ血や下痢を起こし易くなるので、肛門に負担がかかります。
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