発熱にともなうけいれんで、生後6カ月ぐらいから5〜6歳ぐらいまでの子どもによくみられます。脳の機能が未熟なため、高熱時は脳が刺激され、神経が興奮してけいれん発作が起こりやすくなるのが原因です。38℃以上の高熱にともなって、手足や唇、全身にけいれんが起こります。意識を失い、唇が紫色になることもありますが、通常、数分程度でおさまります。けいれん後は意識がはっきりしているのが特徴です。
てんかん
脳神経細胞の伝達システムに一時的な異常が起こるのがてんかんです。突然、体が突っ張り、筋肉が勝手に動く、口から泡を吹くといった、いわゆるてんかん症状が有名ですが、他にも突然意識を失う、記憶が飛ぶ、急に活動が止まって失神するといった症状が起こることがあります。多くは体質が原因となって起こりますが、外傷、中毒、脳卒中、脳腫瘍など種々の疾患が原因でも起こります。
この疾患・症状に関連する情報はこちら。 てんかん(全身)
糖尿病・低血糖症
糖尿病を患っている人の血糖値が800mg/dl以上もの極度に高い数値を示すようなことになると昏睡状態に陥ります。また、血糖降下剤が効きすぎたときに、低血糖が起こります。発汗、震え、動悸などが起こり、さらに血糖値が下がって50mg/dl以下になると意識が混濁し奇行や、集中力の欠如、眠気、発語困難、頭痛、複視、けいれんなどが起こり、40mg/dl以下になると昏睡状態に陥ります。飴や砂糖などで糖分を補って血糖値を上げる緊急処置を行わないと、死に至ります。
脳梗塞
動脈硬化によって脳動脈の血管が狭くなっている部分に、血液が固まってできる血栓が詰まることで、血流が完全に止まる状態が脳梗塞です。脳梗塞が起きた部位によって、半身不随や言語障害、意識障害、また最悪の場合、心停止や呼吸停止などを起こし、死亡に至ることもあります。
くも膜下出血・脳出血
脳のくも膜の内側の動脈が破裂するくも膜下出血が起きると、突然激しい頭痛と吐き気、嘔吐を生じ、意識を失って危険な状態に陥ることがあります。血圧の急上昇によって脳の中の細い動脈が破れる脳出血では、激しい頭痛や吐き気、嘔吐、手足の片マヒ(半身不随)などがあらわれたり、意識障害から死に至ることもあります。
心筋梗塞
心臓の筋肉に血液を送り込むのが冠動脈です。その冠動脈が動脈硬化を起こして内腔が狭くなると、血液が固まってできる血栓が詰まり、血流が完全に止まってしまうのが心筋梗塞です。突然、胸に激痛が起こり、痛みは30分から数時間続くことがあります。血流が止まると心筋の壊死がはじまり、その範囲が広がると、血圧が低下して顔面が蒼白になるとともに、吐き気や冷や汗などがみられたり、意識を失って死に至ることもあります。
腎不全・尿毒症
腎臓の著しい機能低下によって、尿として排泄されるはずの水分や電解質、有害物質が血液中に増加するのが腎不全です。さらに腎不全のために臓器や脳に障害が発生すると尿毒症の症状を引き起こします。尿毒症に進行すると、吐き気、嘔吐、下痢、むくみ、頭痛、けいれん、幻覚、昏睡などの症状が起こります。
感染症による脳炎・髄膜炎
脳と脊髄を包む脳脊髄膜という膜に、細菌やウイルス、真菌などが感染して起こる髄膜炎や、脳細胞に細菌やウイルスが感染したり、寄生虫などが寄生して起こる脳炎では、意識障害や昏睡が起きることがあります。髄膜炎では、急に高熱を発し、強い頭痛や嘔吐、首のすじが張るなどの症状があり、けいれんをともなうこともあります。脳炎は、はしかやインフルエンザなどのウイルス感染によるものが最も多く、髄膜炎よりも症状が重く、髄膜炎を合併することも少なくありません。けいれん発作や手足の麻痺、錯乱や妄想などの精神症状を起こすことや、進行すると昏睡に陥ることもあります。
肝硬変、肝不全
慢性肝炎などで肝臓の炎症が続くと、肝臓が硬くなり、肝臓の機能が低下していきます。その肝機能低下がさらに進行すると、肝不全になります。肝硬変では全身の倦怠感、微熱、食欲不振などの症状があらわれますが、軽度の肝硬変では自覚症状がない場合も多くあります。肝不全では、全身の強いむくみ、お腹に水が溜まる腹水、黄疸などが起こり、さらに脳症状として錯乱や昏睡などの意識障害を起こします。