鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を体のすみずみまで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の酸素濃度が薄くなった状態です。ヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血とされています。ヘモグロビンは酸素と結合して赤色になるので、ヘモグロビンが不足すると赤味が少なくなって顔が青白くなります。
一酸化炭素中毒
都市ガスやプロパンガスなどのガスもれ、石油ストーブの不完全燃焼、締め切った部屋での練炭の使用などによって、酸素を運ぶ役割を果たす血液中のヘモグロビンが一酸化炭素と結びつき、その結合物は赤色調になるので、顔が赤色になります。その他頭痛や嘔吐、意識障害、呼吸困難が起きます。
急性肝炎
肝炎の原因にはウイルス、薬剤、アルコールなどがありますが、多くはウイルスによるものです。A型、B型急性肝炎の典型的な症状は急に強い全身倦怠感、食欲不振、嘔吐、高熱などで、このような症状が1週間程度続いた後、黄疸があらわれ目の結膜や顔の皮膚が黄色くなります。C型肝炎が慢性肝炎に移行したときや、それがさらに進行して肝硬変を起こしたときには顔は暗褐色になります。
胆石症
脂質の消化を助ける胆汁が固まり、胆のう、胆のう管、総胆管に胆石ができると激しい上腹部痛が起きます。右肩に響くような痛みが出るのが特徴で、発熱、吐き気・嘔吐もみられます。また、胆汁の流れが悪くなり、黄疸が起きて顔が黄色くなったり、尿の色が濃くなったりします。発作が起きたときには、ショック症状によって血流が低下し、顔が真っ青になります。中年以降の肥満の人に起こりやすい傾向があります。
胃潰瘍
強い胃酸と胃の消化酵素によって胃の粘膜が大きく傷つけられ、粘膜の一部が欠けるのが胃潰瘍です。主にピロリ菌感染やストレスが原因で起こります。主に食後、みぞおち周辺に重苦しい痛みが起こります。たえず潰瘍から少量の出血があり、吐血や血便が起きることもありますので、貧血で顔が青白くなったり、重い場合は淡黄色になります。
十二指腸潰瘍
強い胃酸と胃の消化酵素によって十二指腸の粘膜が大きく傷つけられ、粘膜の一部が欠けるのが十二指腸潰瘍です。主にピロリ菌感染が原因で起こります。早朝や空腹時にみぞおち周辺がシクシクと痛み、食事をとると治まります。胃壁よりも潰瘍が深く進行しやすく、出血しやすい傾向があり、重度の貧血状態では顔が蒼白色になります。
アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)
結核や自己免疫の異常などにより、副腎皮質ホルモンの分泌が低下する疾患です。疲労感、食欲不振、体重減少などが生じ、皮膚に色素沈着が起きて顔や手の甲などが黒くなったり、口の粘膜に黒いしみができるのが特徴です。頭痛、めまい、下痢、吐き気や嘔吐などのほか、性ホルモンの欠落による性欲減退をともないます。