腎臓の血液をろ過する糸球体に炎症が起きる疾患です。小学校低学年から高学年をピークに、子どもに多くみられます。咽頭(いんとう)炎、扁桃(へんとう)炎などの上気道の炎症や黄色ブドウ球菌などによって皮膚に感染症を起こした1〜3週間後に突然起こります。多くは肉眼では確認できない血尿やたんぱく尿、尿量の減少などの他、目の周りがむくんで、高血圧や倦怠感、動悸があらわれます。
急性膀胱炎
膀胱内に細菌が侵入して炎症を起こすのが膀胱炎です。膀胱炎になるとトイレが近くなり、排尿時の痛み、尿のにごりや血尿などの症状があらわれます。圧倒的に女性に多く、再発しやすく慢性化すると尿が溜まるだけで痛みが生じます。
腎臓結石・膀胱結石・尿管結石
腎臓や膀胱、尿管などの尿路に結石ができる疾患です。結石が尿の通り道を塞ぎ、傷つけることで血尿が出ることがありますが、これは顕微鏡でないと確認できないものです。腎臓結石や膀胱結石では痛みはほとんどなく、あっても鈍痛程度です。しかし、腎臓にできた結石が尿管へ流出した尿管結石では冷や汗をかくほどの激しい発作的な痛みが脇腹、下腹部、腰にあらわれます。吐き気や嘔吐と、肉眼で確認できるほどの血尿が出ます。
腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん
腎臓、膀胱がんの初期症状として、血尿が出ることがあります。最初は血尿以外の症状はありませんが、進行すると排尿困難や排尿痛、頻尿、膀胱部の痛みなどに加え、全身の倦怠感や貧血などの症状があらわれます。また前立腺がんは、ある程度進行してから血尿が生じます。頻尿や排尿困難、残尿感など、前立腺肥大症とよく似た症状をともなうときは、早急に主治医や泌尿科医の検査を受けましょう。