アフターピル(緊急避妊薬)は薬局で処方箋なしで買える?条件や買い方、買える場所とは

アフターピル(緊急避妊薬)は薬局で処方箋なしで買える?条件や買い方、買える場所とは

アフターピル(緊急避妊薬)は、避妊せずに性交してしまい「妊娠したかも」という不安を感じる場合、性交後72時間以内に服用することで意図しない妊娠を防ぐことができる薬です。これまでアフターピルの購入には、医師の診察を受けた上で処方箋が必要とされていましたが、ここ数年で行われた調査研究を経て現在では処方箋なしで薬局やドラッグストアで購入できるようになりました。ただし、誰でもすぐに買えるわけではなく、購入できる条件や守るべき手順などが定められています。この記事では、処方箋なしでアフターピルを買える薬局の探し方、購入の条件や具体的な手順、費用、そして副作用などについて、専門家の監修のもと、詳しく解説します。
北村 邦夫 先生

監修

北村 邦夫 先生 (一般社団法人 日本家族計画協会 会長)

アフターピルは薬局で処方箋なしで買える?

アフターピルとは?

アフターピル(緊急避妊薬)とは、性交から72時間以内に服用することで、意図しない妊娠を避ける薬です。避妊に失敗した(コンドームが外れてしまった・破れてしまった)ときや、低用量ピルを服用し忘れたとき、また性暴力の被害にあったときなどに、緊急的に使用することができます。

アフターピルは100%の効果が望めるわけではありませんが、女性ホルモン剤を服用することで排卵を遅らせたり、抑制したりすることで、一定の確率で妊娠を防ぐことが期待できます。なお、受精卵の着床後に妊娠を中断させる「人工妊娠中絶薬」とはまったく異なる作用の薬であるため、妊娠に影響を与えることはありません。

日本で主に用いられるアフターピルによる避妊法には、「レボノルゲストレル法(LNG法)」があります。LNG法は、性交後72時間(3日)以内にホルモン製剤であるレボノルゲストレル1.5㎎を1錠服用する方法です。24時間以内に服用した場合に避妊が成功する確率は95%程度です。

日本では、アフターピルとして「レボノルゲストレル」が唯承認されている成分です(2026年3月時点)。そのため緊急避妊としてアフターピルを使用する場合は、まずLNG法を選ぶことを推奨されています。

アフターピルはスイッチOTC化され、処方箋なしで購入可能になった

スイッチOTCとは

「スイッチOTC」とは、これまで医師の処方箋が必要だった医療用医薬品の中から、副作用が少なく安全性が高いと判断された成分を、一般の人でも使える薬(要指導医薬品や一般用医薬品¹)に転用(スイッチ)することです。そのため、スイッチOTC薬は処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入できます。

※12025年5月の薬機法改正により、特定要指導医薬品という区分が新設されることが決定した。

アフターピルのスイッチOTC化をめぐり、数年の調査研究が行われた

アフターピルは緊急避妊薬という性質上、誤用や濫用(らんよう)²の懸念があることから、スイッチOTC化には長らく慎重な議論が続けられてきました。

※2 本来の目的から外れた不当な目的のために使用すること。

こうした中、2023年11月より、厚生労働省の委託事業として、「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業」が、全国の一部の薬局で開始されました。この取り組みでは、処方箋なしでアフターピルを販売する試験的な運用が行われました。調査事業の目的は、将来的に処方箋なしでアフターピルの販売を本格導入する際の課題や影響を調べることでした。そのため、この制度を利用してアフターピルを購入するには、調査研究の趣旨を理解し研究に参加すること(同意書の記入やアンケート回答など)や、購入する本人が16歳以上であることなど一定の条件が設けられていました。

一方、調査研究に参加する薬局側にも、夜間や土日祝日でも対応できる体制を整えていることや、近隣の産婦人科医との連携体制を構築していることなど、厳格な条件が定められていました。

現在では、アフターピルのスイッチOTC化が認められている

調査研究を経て、現在ではアフターピルのスイッチOTC化が認められ、薬局やドラッグストアでの購入が可能となっています。ただし、スイッチOTC化されたといっても、誰でも購入できるわけではありません。購入できる条件や手順などはこの後の章で詳しく解説します。

スイッチOTC化されたアリナミン製薬のアフターピル

薬局以外でアフターピルを購入する方法は?

現時点で、スイッチOTC薬以外でアフターピルを購入できる方法としては、以下のような選択肢があります。

対面診療

産婦人科などの医療機関を受診し、医師の診察を受けた上でアフターピルを処方してもらう、あるいは、処方箋を発行してもらい、調剤薬局で購入する方法です。これまで、最も一般的な方法とされてきました。

オンライン診療

スマートフォンやPCを使ってオンライン上で医師に診察をしてもらい、処方してもらう方法です。薬は自宅などに郵送されるか、本人が指定した薬局で受け取ることができます。時間や場所の制約が少ないというメリットがあります。

個人輸入や通販サイトでの購入は非推奨

インターネット上の個人輸入代行サイトなどを通じて、自己責任の上で海外製のアフターピルを入手できるケースもありますが、この方法には大きなリスクがあります。というのも、中には有効性や安全性が確認されていない偽造品や粗悪品が紛れているケースもあり、健康被害につながる可能性があります。

通常、適正に薬を服用したにもかかわらず副作用によって重篤な健康被害が生じた場合には、国の「医薬品副作用被害救済制度」の対象となり、医療費や年金などの給付が行われます。しかし、海外から個人輸入した薬を服用して副作用が起きた場合には、この制度の対象とはなりません。そのため、海外から個人輸入したり、通販サイトで購入したアフターピルを服用することは推奨されていません。

アフターピルを薬局で処方箋なしで買うときの手順

ここでは、アフターピルのスイッチOTC薬を購入する際の具体的な手順をご紹介します。

1. アフターピルのスイッチOTC薬を購入できるか、事前に条件を確認する

アフターピルのスイッチOTC薬は、薬を安全に正しく服用するため、購入時にいくつかの確認事項が定められています。取扱店舗へ行く前に、まずは以下の条件を満たしているか、確認しましょう。

-薬を服用する本人が薬局に行ける

友人やパートナーなど、代理人による購入は認められていません。必ずご本人が薬局に行く必要があります。

-薬局内での面前服用(薬剤師の目の前で薬を服用すること)に同意できる

-この薬に含まれる成分(レボノルゲストレル)で、過去にアレルギー症状を起こしたことがない

-医師から肝臓の病気と診断されていない

-服用時点で妊娠していない

-妊娠が心配な性交から72時間(3日)以内である

など

<リンク>

レソエル72(LESOERU72)適正使用のためのチェックシート ※LINEが立ち上がります

レソエル72(LESOERU72)適正使用のためのチェックシート(PDF)

2. アフターピルのスイッチOTC薬の取扱店舗を探し、事前に電話で確認する

アフターピルのスイッチOTC薬は、緊急避妊薬の取扱いに係る研修を修了した薬剤師(以下、研修修了薬剤師)がいる薬局・ドラッグストアでのみ購入できます。研修修了薬剤師が不在の時間帯には購入できないため、お店へ行く前に取扱店に必ず電話をかけ、「アフターピルの市販薬を購入したいのですが、対応可能ですか?」と確認をしてください。

<リンク>

レソエル72(LESOERU72)の取扱店舗検索

3.薬局・ドラッグストアへ行く

電話で確認が取れたら、薬局・ドラッグストアへ向かいます。必ず薬を服用する本人が行ってください。薬を受け取るだけでなく、研修修了薬剤師からの詳しい説明や確認事項などがあるため、時間に余裕を持っておきましょう。

薬局・ドラッグストアに着いたら

研修修了薬剤師に声をかけると、プライバシーに配慮された場所で、チェックシートを使いながら体調などの確認が行われます。質問には正直に答えましょう。確認の結果によっては薬を服用できない場合もあります。

薬局・ドラッグストアに行く際の持ち物

以下の物を持っていくと、手続きがスムーズです。

-スマートフォン

Web上やLINEからチェックシートを入力した場合は、入力内容の確認のためにスマートフォンが必要となります。

-(あれば)記入済みのチェックシート

事前に印刷して記入した場合は、それを持参しましょう。もちろん、持参せずとも、薬局・ドラッグストアで用意されたチェックシートにその場で記入することも可能です。

-アフターピルの購入費用+妊娠検査薬の購入費用

アフターピルの購入費用(7,000円程度) の他、妊娠検査薬の購入費用(1,000円~1,500円程度)も準備しておくと安心です。アフターピルの服用前に、72時間以内の性交よりさらに前の性交によって、すでに妊娠していないか確認する可能性がある他、アフターピルを服用してから約3週間後には妊娠の有無を確認する必要があるため、アフターピルの購入時には妊娠検査薬も併せて購入しておくと便利だからです。

-(あれば)お薬手帳

アフターピルの購入時、他剤の服用の有無を確認する際に使用することがあります。持っている人は持参しましょう。

4. 研修修了薬剤師の前でアフターピルを服用する

研修修了薬剤師による説明と確認がすべて完了したら、その場で薬を服用します。これは、アフターピルが確実に服用されたことを研修修了薬剤師が確認するための大切なルールです。同意できない場合は購入することができませんので、ご注意ください。

5.約3週間後に妊娠の有無を確認する

薬を服用したら終わり、ではありません。アフターピルを服用してから約3週間後、妊娠検査薬を使用するか、産婦人科などの医療機関を受診し、妊娠していないことを必ず確認してください。

アフターピルに関するよくある質問

アフターピルを服用するときに気をつけることはある?

アフターピルを服用するときに注意しておきたいポイントをいくつかご紹介します。

服用した後、2時間以内に吐いてしまった場合

薬の有効成分が十分に吸収されていない可能性があります。すぐに医療機関に相談してください。状況によっては、追加で服用が必要なこともあります。

授乳中の場合

薬の成分が母乳中に移行するため、服用後24時間は授乳を避ける必要があります。その間は搾乳して捨てるなどの対応が必要となります。

他に薬を服用している場合

薬ののみ合わせによっては、アフターピルの効果が弱まることがあります。日常的に服用している薬やサプリメント(特にセイヨウオトギリソウ、セント・ジョーンズ・ワートを含むもの)がある場合は、購入時に必ず研修修了薬剤師に伝えてください。

アフターピルに副作用はある?

主な副作用として、吐き気、頭痛、倦怠感、不正出血、腹痛、乳房の張りなどが報告されています。

これらの症状は一時的なものがほとんどで、多くは24時間以内におさまります。もしも症状が長く続く場合や、不安な場合は、薬を購入した薬局やかかりつけ医に相談しましょう。

アフターピルを服用すれば確実に妊娠を防げる?

アフターピルが妊娠を防ぐ確率は100%ではありません。しかし、非常に高い確率で妊娠を防ぐことができ、また、服用するのが早ければ早いほど、その効果が高くなります。

妊娠が心配される性交後24時間以内にアフターピルを服用した場合、避妊が成功する確率は約95%です(レボノルゲストレル法の場合)。ただし、性交後時間がたつにつれて、避妊成功率は下降していきます。レボノルゲストレル法では、性交後25~48時間以内に服用した場合の避妊成功率は85%、性交後49~72時間に服用した場合は58%と報告されています¹⁾

意図しない妊娠の不安がある場合は、とにかく早めに服用することが大切です。

1)日本産科婦人科学会『緊急避妊法の適正使に関する指針』(令和7年改訂版)より
Lancet 1998; 352: 428-433

アフターピルは服用後の性交にも避妊効果がある?

アフターピルの効果は、服用する前の72時間以内の性交に対するものです。薬を服用した後の性交による妊娠を防ぐ効果はないため、注意が必要です。

今後も継続して避妊を希望される場合は、産婦人科で低用量ピルや子宮内避妊システム(LNG-IUS)について相談したり、コンドームを正しく使用したりするなど、より確実な避妊方法を検討しましょう。

安全日であればアフターピルを服用する必要はない?

月経周期から算出したいわゆる「安全日」の予測は、排卵日がストレスや体調によってずれることもあるため、確実な避妊法とはいえません。

「妊娠したかもしれない」と不安になる性交があった場合は、念のためアフターピルを服用することを検討するのが良いでしょう。

アフターピルで性感染症を防ぐことはできる?

アフターピルは妊娠を防ぐための薬であり、性感染症を防ぐ効果はありません。

クラミジアや梅毒などの性感染症について気になることがあれば、産婦人科へ相談しましょう。

アフターピル以外で普段から意識すべき避妊法は?

アフターピルは、あくまで「緊急用」の薬です。意図しない妊娠を避けるには、日頃から計画的に避妊をすることが大切です。代表的な方法には、以下のようなものがあります。

低用量ピル(OC)

毎日1錠服用することで精子の子宮内への侵入を阻止する、排卵を抑えるなど多様な作用で、計画的に妊娠を回避する方法です。正しく服用すれば99%以上の高い避妊効果があります。医師の処方が必要ですが、月経痛の改善や月経周期を安定させる効果も期待できます。

子宮内避妊具

産婦人科で、子宮内に小さな用具を装着してもらう方法で、一度装着すれば数年間効果が持続します。例としてはホルモンを持続的に放出する「IUS(ミレーナなど)」があり、経血量を減らす効果もあります。

コンドーム

ペニスに装着し、精子が腟内に入るのを物理的に防ぎます。正しく使用すれば避妊に有効なだけでなく、性感染症を予防できる唯一の方法です。薬局・ドラッグストアなどで手軽に入手できます。

リズム法

月経周期をもとに排卵日を予測し、妊娠しやすい時期を避けて「安全日」に性交をする方法です。つまり、定期的に禁欲する避妊法です。特別な費用や器具は不要ですが、排卵日がずれやすいため失敗率が高く、避妊法としての確実性は低いとされています。

不妊手術

手術で精管結紮(けっさつ)(パイプカット)や卵管結紮をして、精子または卵子の通り道をふさぎ、恒久的に妊娠できなくする方法です。男女ともに可能ですが、一度行うと元に戻すのは極めて困難なため、将来子どもを望まないとはっきり決めている場合に限られます。

アフターピルはスイッチOTC化により、薬局で処方箋なしで購入可能に。使い方には十分な理解を

これまでは医師の処方箋が必要だったアフターピルが、スイッチOTC化によって薬局やドラッグストアで購入できるようになりました。購入方法にはいくつかの条件や手順がありますが、これまでに比べて非常にアクセスしやすくなりました。

しかし、アフターピルはあくまでも緊急的な手段です。これを機に、低用量ピル、子宮内避妊具やコンドームなどの日常的に行える避妊法についても考えてみましょう。また、パートナーと将来のことを話し合ったり、婦人科で自分に合う方法を相談したりするのも、大切な次の一歩です。

あなたの体のことは、あなた自身が決めるもの。十分な情報を得て、納得できる選択をしていきましょう。

■参考文献

・日本産科婦人科学会(2025), 緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版)
・厚生労働省(2025), 緊急避妊薬のスイッチOTC化に向けた進捗について
・あすか製薬株式会社(2020), ノルレボ錠1.5mg 添付文書, 2020改訂
・公益社団法人 日本薬剤師会(2023), 緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業(厚生労働省医薬局医薬品審査管理課委託事業)
・柴田 綾子 編(2025),みえる!わかる!婦人科・産科・女性医療のくすり,南山堂
・病気がみえる vol.9 婦人科・乳腺外科第3版:メディックメディア.2016

CHEER UP WOMAN!自分らしく生きるために