車の追突やスポーツでの激しい衝突などで、首に強い衝撃を受けて頸椎が捻挫している状態で、むち打ち症とも呼ばれます。首が動かしにくく、動かしたときにしびれや痛みを感じるなどの症状が現われます。また、損傷がひどい場合には、頭痛や吐き気、耳鳴り、倦怠感などに悩まされることも少なくありません。
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
加齢や長年腰に負担をかけることによって脊柱管が狭くなり、神経を圧迫するために起こります。安静時は症状が軽い場合が多く、歩き続けると下肢にしびれや痛みが出て動けなくなることもあります。立ち止まると症状は改善し、歩き出すとまた悪化するといった間欠性跛行(かんけつせいはこう)という症状が出ることがあります。
腰椎すべり症
縦に連なっている脊椎が前後にずれて、神経を圧迫し、強い痛みとしびれをともなうこともあります。脊椎の一部が骨折して分離した分離すべり症と、加齢による椎間板の変形が原因の脊椎(変形)すべり症があります。いずれも40〜50代の中高年に多くみられます。
椎間板ヘルニア
首から腰にかけての、いわゆる背骨の骨と骨をつなぐ椎間板に亀裂ができて、中の椎間板組織の一部が飛び出し、神経を圧迫することでしびれや痛みが起こります。首から腰にかけての痛みや足の指のしびれがあります。また、坐骨神経痛と呼ばれる片側の足の後ろ側の痛みやしびれが代表的な症状です。
頸椎(けいつい)症
骨や軟骨の老化が原因で、頸椎の骨と骨をつなぐ椎間板がつぶれて椎間板組織が飛び出したり、靱帯がまるで骨のように固くなって神経や血管を圧迫し、肩や腕にしびれや痛みが起こります。肩こりや頭痛が起こることもあります。中高年に多く発症する疾患です。
脳梗塞、脳出血、脳腫瘍
脳の血管が詰まる脳梗塞や脳の血管が破裂して出血する脳出血は、前触れとして手足にしびれが起こることがあります。一方、脳出血や脳梗塞の後遺症として半身のしびれが起こることがよくあります。脳腫瘍では、腫瘍によって神経が圧迫され手足がしびれることがあります。
肘部管(ちゅうぶかん)症候群・手根幹(しゅこんかん)症候群
肘(ひじ)部分や手首を通り、指へと繋がる腱を酷使すると炎症を引き起こします。それが指に繋がる神経を圧迫するために、しびれや痛みが起こります。
肘部管症候群は、小指側に繋がっている神経が圧迫され薬指から小指にかけてしびれや痛みの症状が出ます。
手根幹症候群では、親指から中指に広がっている神経が圧迫され親指から薬指の半分にしびれや痛みがあらわれます。
胸郭(きょうかく)出口症候群
鎖骨のあたりを走る腕や手指に繋がる末梢神経の束や、血管(動脈や静脈)が、胸部の鎖骨と肋骨の間で圧迫されて、肩や腕にしびれや痛み、血行障害が起こります。20〜30代のなで肩や首の長い女性に多くみられ、無理な姿勢や動きが加わることでさらに起こりやすくなります。
帯状疱疹(帯状ヘルペス)
体内に潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが再び活性化して起こるのが帯状疱疹です。痛みをともなう小さな赤い水ぶくれが体の片側に帯のようにあらわれます。水ぶくれは1〜2週間で治まりますが、神経細胞が傷つけられることによって後遺症として神経痛が残ることがあります。日本人のほとんどが持っているウイルスですが、お年寄りや疲れが溜まっている人など、体の免疫が落ちてきたときに発症しやすくなります。
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閉塞性下肢動脈硬化症
動脈硬化によって、足への血流が極端に減り、足の筋肉の組織が酸素不足になっている状態です。そのために足に冷感をともなうしびれが生じることがあります。糖尿病や喫煙が誘因となることが多く、進行すると足の指の壊疽(えそ)を引き起こすことがあります。歩いているとふくらはぎが痛くなって歩けなくなり、しばらく休めばまた歩けるという間欠性跛行(はこう)という症状があらわれることがあります。
糖尿病性神経症
糖尿病はすい臓でつくられるインスリンの分泌や作用が低下し、血糖値が慢性的に高い状態になる生活習慣病です。この糖尿病によって、長期間高血糖状態が続くことが原因となって起こるのが糖尿病性神経障害で、運動神経・知覚神経系が損なわれ、手足の先にしびれや痛みが起きます。症状が進むと足の筋肉が萎縮し、力が入らなくなります。また、顔面神経麻痺が起きることもあります。