肥満に対する恐怖心から極度のカロリー制限をしたり、指でのどを刺激して食べたものを吐いたり、下剤の乱用などによって20%以上も体重が減少することがあります。女性の場合は3カ月以上無月経が続くこともあります。思春期の女性に多く、やせていくことを喜び、元気で活動的なのが特徴ですが不整脈を起こして突然死することもあります。
うつ病
特別な疾患がないのに、だるさや疲れがとれず気力が低下したり、落ち込んだりして興味や楽しい気持ちを失い、それを自分の力で回復するのが難しくなる疾患です。多くの場合、食欲が減退し、食事の量が低下して体重が減少します。その他睡眠障害、集中力の低下をはじめ、体の動きが鈍ったり、逆にイライラして焦る気持ちが強くなったり、疲れが激しくなるなど、心と体の双方に症状があらわれます。
糖尿病
膵臓でつくられるインスリンの分泌や作用が低下し、血糖値が慢性的に高い状態になる生活習慣病です。食事から摂取した糖質をエネルギーとして利用できなくなり、かわりに脂肪や筋肉中のたんぱく質が分解されてエネルギー源として利用されるため、体重が減っていきます。肥満や老化、遺伝が発症に関係していると考えられています。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患です。代謝が促進されるために、食欲があってたくさん食べているにもかかわらずやせていきます。甲状腺の腫れや眼球の突出、手のふるえ、動悸などの症状もあらわれます。自己免疫の異常や遺伝が関係していると考えられ、多くは20〜30代の女性に発症しますが、男性の発症もめずらしくありません。
肺結核
結核菌という細菌に肺が感染して起こります。せき、たんや肉眼では確認できない微量の血が混じったたん、微熱などの症状が2週間以上続くと同時に、食欲不振や倦怠感、体重減少などが起こる場合があります。結核菌は、せきなどによって感染が広がる可能性がありますが、初期症状が軽いため、感染に気付かないこともあります。感染者数は一時減少したものの、最近では療養施設等でのお年寄りの集団感染や、新しい結核菌の登場によって再び増加しています。
アジソン病(慢性副腎皮質機能低下症)
結核や自己免疫の異常などにより、副腎皮質ホルモンの分泌が低下する疾患です。疲労感、食欲不振、体重減少などがあらわれ、皮膚に色素沈着が起きて顔や手の甲などが黒くなったり、口の粘膜に黒いしみができるのが特徴です。頭痛、めまい、下痢、吐き気や嘔吐などの他、性欲減退をもたらすこともあります。