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思春期からはじまる、
からだとこころのゆらぎ

窪 麻由美 先生

監修窪 麻由美 先生(丸の内の森レディースクリニック 副院長)

女性ホルモンとライフステージ

エストロゲン(卵胞(らんぽう)ホルモンともいいます)は女性らしいからだつきやお肌のハリを保つほか、子宮内膜を整えて妊娠に備える、骨や血管の健康を支え、自律神経を安定させるなど、幅広い働きを担っています※1
年齢とともにエストロゲンの分泌量は変化し、その移り変わりによって、女性の人生は「思春期(ししゅんき)」「性成熟期(せいせいじゅくき)」「更年期(こうねんき)」「老年期(ろうねんき)」の4つのステージに分類されます。

思春期(8~18歳頃)※2

エストロゲンの分泌が増え始め、女性らしい体形がつくられていくのが「思春期」です。
からだだけでなく、こころも大きく成長します。

性成熟期(18~45歳頃)※3

思春期を過ぎると、エストロゲンの分泌はピークを迎え、「性成熟期」に入ります。
この時期は、エストロゲンの分泌が安定し、妊娠・出産に適したからだの状態が保たれます。

更年期(45~55歳頃)※3

閉経をはさんだ前後5年間、あわせて約10年間が「更年期」です。
この時期はエストロゲンの分泌が急激に低下し、心身にさまざまな不調があらわれやすくなります。
日本人女性の平均的な閉経年齢は50歳前後といわれています※4

老年期(50代なかば以降)※3

更年期を過ぎると「老年期」を迎えます。エストロゲンの分泌量が少なくなるため、これまでエストロゲンに守られていた血管や骨、お肌のトラブルに注意が必要です。

*イメージ

思春期のからだとこころの変化

エストロゲンの分泌が始まり、子どもから大人へとからだとこころが成長する時期です。
クラスメイトとの違いが目につき、不安になることもあるかもしれませんが、周りと自分を比べる必要はありません。成長のスピードや抱える悩みは、一人ひとり異なります。自分のペースで変化を受け止めていきましょう。
ひとりで抱え込まず、家族や信頼できる大人に気になっていることを少し打ち明けるだけでも、気持ちがふっと軽くなることがあります。

からだの変化

8~9歳頃に第二次性徴(だいにじせいちょう)と呼ばれるからだの変化が始まります※2
まず、からだつきにふっくらとした丸みが出てきて、乳房が発達します。わきの下や性器に毛が生え、身長もぐんと伸びます※5
この時期を象徴する変化のひとつとして、一般的に12歳ごろになると初めての月経(初経(しょけい))を迎えます。
このような「からだの変化」には個人差がありますが、18歳ごろまで続きます。

こころのゆらぎ

からだの変化に伴い、こころもゆれやすくなる時期です。
親に依存する幼い時期を卒業し、少しずつ自分自身の価値観を育んでいく中で、自立したい気持ちと、どこか心細さを抱える思いが交錯し、感情が不安定になりやすくなります。
また、周囲からどう見られているかを気にしたり、友人関係の距離感に悩んだりすることも珍しくありません。

保護者の皆さまへ。お子さまとの向き合い方

思春期は、こころとからだの両面で変化が重なるため、不安や戸惑いを抱きやすい時期です。
大切なのは、保護者が変化に気づき、そっと見守ること。
無理に聞き出さなくても、日ごろから子どもが親に話をしやすいような雰囲気をつくっておくことが、お子さんの安心につながります。

初めての月経(初経(しょけい))について

初めての月経(初経)は、10〜14歳頃に始まることが多く、平均初経年齢は12歳前半とされています※6-7
からだがゆっくりと大人へ向かって成長しているサインのひとつです。

初経の時期は人それぞれ

初経のタイミングは人それぞれ。多少早くても遅くても心配はいりません。
ただし、10歳より前に初経があった場合や、15歳になってもまだ初経がない場合は、一度産婦人科で相談しておくと安心です※7-8(かかりつけの小児科医に産婦人科医を紹介してもらってもよいでしょう)。

月経の周期がバラバラなのが心配

月経は、ほぼ1カ月ごとの間隔で訪れます。「月経が始まった日」から「次の月経が始まる前日」までの期間を月経周期(げっけいしゅうき)といい、一般的には25〜38日とされています。
ただし、初経を迎えて間もない思春期の頃は、月経周期が安定しないことも珍しくありません。
女性の性機能は18〜20歳頃に成熟するといわれており、それに向かって月経周期も少しずつ整っていきます※8
思春期のからだはまだ成長の途中にあるため、多少のゆらぎがあるのは自然なことです。過度に心配する必要はありません。

一方で、初経を迎えているにもかかわらず、3カ月以上月経がみられない場合は注意が必要です。
この状態は「続発性無月経(ぞくはつせいむげっけい)」と呼ばれ、あまり長く続くと、将来の妊娠に影響する可能性もあります※8-9
原因として多いのは、ダイエットによる体重減少のほか、強いストレスや過度な運動などがあげられます。
気になる変化があるときは、早めに産婦人科に相談することが、からだを守る大切な一歩になります。

コラム 将来の自分の体を守るため、子宮頸(しきゅうけい)がんワクチンを知っておこう※10

子宮頸がんは、子宮頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんです。20代から少しずつ増え始めることが知られています。子宮頸がんの多くは、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスに感染することがきっかけで起こります。HPVは、だれでも感染する可能性があるウイルスで、女性の多くが「一生に一度は感染する」といわれています。
日本では、小学6年生から高校1年生の女の子を対象に、HPVの感染を防ぐHPVワクチンを、公費で受けられるようになっています。ワクチンの種類や接種する年齢によって、接種の回数や間隔が異なります。
男の子に対しても任意接種が認められており、一部自治体では助成も始まっています。
病院やクリニックの医師と相談して決めましょう。

参考文献

※1 厚生労働省. 「働く女性の心とからだの応援サイト」.
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/lifestage.html(2026年3月30日閲覧)
※2 公益社団法人日本産婦人科医会. 「思春期とは」.
https://www.jaog.or.jp/note/%E6%80%9D%E6%98%A5%E6%9C%9F%E3%81%A8%E3%81%AF/(2026年3月30日閲覧)
※3 一般社団法人日本家族計画協会会長 北村邦夫 監修. Lady’s Memory. 日本家族計画協会, 2013
※4 公益社団法人日本産科婦人科学会. 「更年期障害」.
https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/(2026年3月30日閲覧)
※5 公益社団法人日本産婦人科医会. 「思春期ってなんだろう?性ってなんだろう?(2024年度改訂版)」.
https://www.jaog.or.jp/about/project/document/shisyunnki2024/(2026年3月30日閲覧)
※6 公益社団法人日本産婦人科医会. 「初めての生理(初経)はいつごろに始まりますか?」.
https://www.jaog.or.jp/qa/youth/shisyunnki09/(2026年3月30日閲覧)
※7 一般社団法人日本思春期学会. 「高校1年ですが、初経がまだありません」.
https://adolescence.gr.jp/general/q01/(2026年3月30日閲覧)
※8 北村邦夫. 新版 ティーンズ・ボディーブック. 中央公論新社, 2021
※9 一般社団法人日本思春期学会. 「ダイエットをしてから、月経が止まりました」.
https://adolescence.gr.jp/general/q02/(2026年3月30日閲覧)
※10 厚生労働省. 「小学校6年~高校1年相当の女の子と保護者の方へ大切なお知らせ2025年2月改訂版」.
https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/3087/000901220_shousai_202502.pdf(2026年3月30日閲覧)

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