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月経(生理)のしくみ

監修窪 麻由美 先生(丸の内の森レディースクリニック 副院長)
月経の基本を知ろう
個人差はありますが、「月経が始まった日」から「次の月経が始まる前日」までの月経周期は、一般的に25〜38日の間でめぐってきます。そのあいだ、からだの中では成熟した卵子が排卵され、子宮内膜が厚くなったり、はがれ落ちたりと、目には見えないサイクルが続いています。
月経を知る前に……まずは内性器のしくみをチェック
月経のしくみを知るには、まず女性の内性器(からだの中にある性器)のしくみを理解することが大切です。
女性の内性器には、受精卵から胎児へと育む「子宮」、卵子のもとを育てる「卵巣」、そして卵巣で育った卵子を子宮まで運ぶ「卵管」があります。これらの器官がホルモンの働きを受けながら連携することで、月経周期が成り立っています。

月経が教えてくれる、からだのリズム
卵巣には、たくさんの原始卵胞があり、袋のような構造をして卵子を包んでいます。卵胞の中で卵子は成熟し、月に1回、卵胞が破れて卵子が放出されます(排卵)。
一方、子宮では受精卵を迎える準備として、子宮内膜がふかふかのベッドのように厚くなります。
受精が成立しなかった場合、そのベッドは必要がなくなるため、内膜がはがれて血液とともに腟から排出されます。これが月経です。月経は、3〜7日ほど続くことが多いです。
月経サイクルは「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経」の4つの段階からなり、脳からの指令を受けて卵巣から分泌される2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」によって支えられています。ホルモンの変化は体調や気分にも影響するため、自分の月経サイクルを知っておくことは、毎月のコンディションを心地よく保つうえでも役立ちます。

月経の不調はひとりで抱えこまない
月経前や月経中は、ホルモンのゆらぎなどによってこころやからだが不安定になりやすくなります。
「よくあること」として見過ごされがちですが、月経のつらさをガマンする必要はありません。
自分に合ったケアを取り入れることが、毎月の月経期間を少しでも心地よく過ごすための一歩です。
月経「前」にあらわれる心身の不調――月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)※1

月経前症候群(PMS)
月経の3~10日ほど前から始まり、月経が始まると自然に落ち着いていく心身の不調を「月経前症候群(PMS)」といいます。
原因はまだよく分かっていませんが、排卵後から月経までの「黄体期」は女性ホルモンの変動が大きく、こうした変化が脳内のホルモンや神経伝達物質のバランスに影響すると考えられています。
症状には個人差があり、頭痛、眠気、イライラなど、あらわれ方も強さもさまざまです。
なかには、登校や出勤、家事をこなすことが負担に感じるほど、症状が強く出る人もいます。
つらいときは無理をしないことが大切です。
産婦人科では、症状にあわせて適切な治療をしてもらえます。
ピルやホルモンの薬で排卵の調整をしたり、痛み止めや漢方を使ったりして症状をやわらげます。
つらい症状がある方は、一度相談しておくと安心です。
月経前不快気分障害(PMDD)
PMSの重症型とみなされており、特に精神神経症状が強くあらわれます。自分の感情をコントロールできず、周囲の人との関わりが苦痛になり孤独や絶望感でひきこもりがちになる人もいます。
月経「中」の痛みやつらさ――月経痛、月経困難症※2
月経痛
月経中は、多くの人が下腹部痛や腰痛などのつらさを感じます。そんな日は、無理をせずに過ごすことがいちばん。
身体を温めたり、ほっとできる時間をつくったり、必要に応じて鎮痛剤を使うなど、心地よく過ごせる工夫を少しずつ取り入れてみてください。
月経困難症
月経痛のうち、学校や仕事に行けないほど日常生活に支障が出る状態を「月経困難症」といいます。
下腹部痛や腰痛のほか、お腹のはり、吐き気、頭痛などの症状があらわれることもあります。
月経困難症は大きく2つに分けられ、「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」があります。

いずれの場合も適切な治療法がありますので、つらい症状があれば早めに産婦人科に相談してみましょう。
☑何らかの病気が隠れている「器質性月経困難症」
子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの婦人科系の病気が原因で月経困難症が起こるものを、「器質性月経困難症」といいます。鎮痛剤やピルなどを用いて治療したり、原因となる病気に対する治療が行われます。
☑比較的若い女性に多い「機能性月経困難症」
特に背景に病的な異常がない場合は「機能性月経困難症」といいます。
痛みの原因には、子宮の出口(子宮頸管)が少し狭くなっている、月経時に経血を押し出すため子宮を収縮させるホルモン(プロスタグランジン)が多く分泌されることなどが関係していると考えられています。鎮痛剤やピルなどを用いて、痛みをやわらげる治療が行われます。

参考文献
※1 公益社団法人日本産科婦人科学会. 「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」.
https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/(2026年3月30日閲覧)
※2 公益社団法人日本産婦人科医会.「研修ノートNo106_思春期のケア_ 9.月経困難症(月経随伴症状)の早期介入_(1)月経困難症」.
https://www.jaog.or.jp/notes/note13259/(2026年3月30日閲覧)
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