自律神経失調症とは、自律神経のバランスの乱れにより、身体にあらわれるさまざまな症状のことです。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、アクセルとブレーキに例えられるように相反する働きを持っています。これらが意識とは関係なく常にバランスを取りながら、心臓や胃腸、肺などの調整を行っています。そのため、バランスが崩れると身体にさまざま不調をきたします。たとえば、倦怠感、疲労感、熱っぽさ、めまい、ふらつき、頭痛、動悸、胃炎、下痢、生理不順、肩こりなどです。イライラや不安、不眠などの精神症状を伴うこともあります。
自律神経失調症の原因は、人間関係や仕事のストレス、光や音などの身体的ストレス、慢性的な寝不足や生活リズムの乱れ、更年期による女性ホルモンの減少などです。ストレスを抱えている時期や生活リズムの乱れが短期間であれば問題ありませんが、ストレス状態が長引くと限界を超え、発症するおそれがあります。
自律神経失調症は、ストレスの緩和や生活リズムの乱れを見直すことで改善します。たとえば、散歩やストレッチ、入浴を取り入れたり、家族や友人、ペットとゆっくり過ごしたりするのもよいでしょう。それでも症状の改善がみられない場合には、医師に相談し、薬での治療の検討が必要です。対症療法ではありますが、状態に合わせて鎮痛薬や整腸剤、抗不安薬を服用することで症状の緩和を期待できます。