プレコンセプションケアとは「妊娠前からのケア」を意味し、若い男女が将来のライフプランを考えて自分たちの健康や生活に向き合うことです。プレ(Pre) は「~前の」、コンセプション(Conception)は「妊娠・受胎」という意味があります。
海外では、米国疾病管理予防センター(CDC)や世界保健機構(WHO)もプレコンセプションケアを提唱しています。日本では国立成育医療研究センターにより取り組みが始まり、最近では各地の自治体でも啓発活動を行っています。
プレコンセプションケアが注目されるようになった背景には、若い女性の痩せと肥満の増加、出産年齢の高齢化などにより、リスクの高い妊娠が増加していることがあります。若いうちから正しい知識を身につけ、将来のライフプランを見据えたうえで健康的な生活を送ることが将来の健康な妊娠・出産につながり、仮に妊娠・出産をしないとしても、より健康な人生につながると考えられています。
実践内容としては、適正体重を守る、そのためにも栄養バランスを整えた食事をとり、適度な運動をする、さらに妊娠前から食事やサプリメントで葉酸を摂る、健康診断やがん検診を受ける、風しんや梅毒などの感染症を予防する、タバコとお酒に注意することなどが推奨されています。実践の目安として、国立成育医療研究センターが作成している「プレコン・チェックシート」を活用するのもよいでしょう。