PMDD(premenstrual dysphoric disorder)は「月経前不快気分障害」と呼ばれ、月経3~10日前から情緒不安定や著しいイライラ・不安、うつ症状などの精神症状が強くあらわれて、同時に趣味などに興味が持てなくなる、気力・集中力の低下、とてもつらい感覚などがあって日常生活に支障をきたし、月経が始まると症状が消失していく病気で、これらの精神症状が複数重なった状態が1年以上続いている場合に診断されます。もともとあるうつ病などの精神疾患が月経前に悪化する場合は、月経前増悪(PME:premenstrual exacerbation)の可能性があります。
PMDDの発症は女性ホルモンによる影響が大きいと考えられ、ストレスによって症状が悪化するといわれています。
対処法としては、まずは不調が病気によるものということを認識することが大切で、それだけで症状が和らぐ場合もあるようです。症状日記をつけ、症状があらわれやすい自身のリズムを把握しましょう。そして、規則正しい生活、適度な運動、栄養バランスのとれた食生活などを心がけ、カフェインやアルコールの摂取、喫煙はひかえましょう。
薬物療法には、低用量経口避妊薬(OC)または低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)、 抗うつ薬(SSRI)や漢方薬、精神安定剤などによる治療があります。
つらい場合には、婦人科または精神科を受診して相談してみましょう。PMDDは社会生活や対人関係に支障をきたしやすいため、我慢せずに早めに受診することが大切です。