膀胱や尿路、尿道に結石ができる疾患です。尿の通り道にできる結石が障害になるため、尿がスムーズに流れなくなり、排尿に時間がかかる排尿困難が生じます。その際は、残尿感が起こり排尿の快感が得られないことによる頻尿がみられます。また、結石が尿の通り道の壁を傷つけると血尿がみられ、腰痛や下腹部の激しい痛みをともないます。
尿道狭窄症(にょうどうきょうさくしょう)
尿道の内側が狭くなるために尿が出にくくなる疾患です。以前は淋病や結核菌による慢性的な炎症が原因になるケースが多くみられましたが、近年は手術や検査などで尿道にカテーテルや内視鏡を挿入することで尿道を傷つけてしまうために起こるケースも多くみられます。尿が細くなったり、膀胱にある尿が排尿できない状態になることもあります。
急性膀胱炎
膀胱内に細菌が侵入して炎症を起こすのが膀胱炎です。長時間のトイレの我慢や、過労による抵抗力の低下、冷えによる水分代謝の低下などが原因で起こります。膀胱炎になると頻尿や、排尿後の残尿感、排尿時の痛み、尿のにごり、血尿などの症状があらわれます。圧倒的に女性に多く、再発しやすく慢性化すると尿が溜まるだけで痛みが生じます。
子宮筋腫
子宮にできる良性腫瘍です。30〜40歳代に多く、成人女性の5人に1人は筋腫があるといわれています。初期の自覚症状はほとんどありませんが、筋腫が大きくなると生理痛が強くなり、経血の増加や期間の長期化がみられます。そのため、貧血やめまい、立ちくらみなどを引き起こします。また、周囲の臓器にも影響を与えて、頻尿や排尿困難、排便時の痛み、腰痛を起こすこともあります。不妊や流産の原因にもなります。
子宮脱・膀胱脱
出産や加齢、肥満が原因となって、子宮や膀胱を支える骨盤底筋がゆるみ、子宮や膀胱が体の外に飛び出してしまう疾患です。更年期以降の女性に多くみられます。排尿困難、尿漏れ、頻尿など尿のトラブルが起こる他、腰痛、便秘、おりものの増加などの症状もあらわれます。
神経因性膀胱
排尿を促す自律神経の障害によって起こる排尿のトラブルを神経因性膀胱といい、頻尿、失禁、排尿困難などが生じます。神経に障害を起こす疾患には、脳血管疾患、糖尿病による神経障害、脊椎損傷、パーキンソン症候群などがあります。また、子宮がんや直腸がんの手術の際に神経を傷つけたために、排尿困難が生じることもあります。
※以上の疾患は、医師の診断が必要です。
上記疾患が心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。