脚気はビタミンB1が不足して起こる疾患で、末梢神経の障害と心不全(心臓に異常が生じてポンプの役割を果たさなくなること)による全身浮腫(むくみ)を起こします。脚気の初期には食欲不振があり、他に全身がだるく、とくに下半身に倦怠感が生まれます。次第に足のしびれやむくみ、動悸、息切れ、感覚の麻痺などの症状があらわれます。さらに進行すると手足に力が入らず寝たきりとなり、そのまま放置すると心不全が悪化して死に至ることもあります。
現代でも脚気予備軍は増加
脚気は、古くは江戸時代から明治、昭和初期まで国民病として多くの死者を出したビタミンB1欠乏症です。医学が進歩しビタミンについて研究が進んだ現代では、脚気にかかる人はほとんど見られなくなっています。しかし、インスタント食品中心の食事や野菜不足、清涼飲料水の多飲、アルコールの多量摂取など偏った食生活をしている現代人に、潜在的にビタミンB1が欠乏している「脚気予備軍」が増えているといわれています。