手足のリンパ管が詰まり、リンパ液がリンパ管の外にしみ出すために腕や足にむくみが起こる疾患です。生まれつきリンパ管の数が少ないために発症することもありますが、多くはがん治療などでリンパ管やリンパ節を切除したり、放射線を照射したことでリンパの流れに異常をきたして発症するものです。次第に皮膚が固くなり、象皮症に発展することもあります。
更年期障害
閉経前後の約10年をさす更年期を迎えると、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により自律神経のバランスが崩れ、ほてりやのぼせ、多汗、イライラなどさまざまな症状があらわれます。むくみもその一つですが、心配のないむくみです。
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妊娠高血圧症候群
以前は妊娠中毒症と呼ばれていた疾患で、特徴はむくみ、高血圧、たんぱく尿の3つの症状です。妊娠後期に起こることが多く、高齢出産になるほど発症率が高くなります。胎児の発育障害や脳出血などを引き起こすことがあり、母子ともに危険な状態になる場合があります。もともと高血圧症、腎臓病や糖尿病などの疾患があると起こりやすいことがわかっています。
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甲状腺機能低下症
免疫の異常によって、甲状腺ホルモンの分泌や作用の低下が起こる疾患です。進行すると元気がなくなったり、皮膚のカサつき、むくみ、生理不順、記憶力の低下などの症状があらわれることがあります。上まぶたからむくみが始まり、下半身のむくんだ部分を押してもへこまない場合は、甲状腺機能低下症が疑われます。
急性糸球体腎炎
腎臓の血液をろ過する糸球体に炎症が起きる疾患です。小学校低学年から高学年をピークに、子どもに多くみられます。咽頭炎、扁桃炎などの上気道の炎症や黄色ブドウ球菌などによって皮膚に感染症を起こした1〜3週間後に突然起こります。目の周りがむくみ、高血圧や倦怠感、動悸があらわれる他、多くは肉眼では確認できない血尿やたんぱく尿が出ます。
ネフローゼ症候群
腎臓の糸球体という部分に異常が起き、血液中のたんぱく質が尿の中に過剰に出てしまう疾患です。たんぱく質は血管の外にある水分を引き込む作用がありますから、不足するとむくみが起こります。むくみは最初まぶたや顔、足にあらわれ、進行すると倦怠感とともに全身に拡がり、胸やお腹に水が溜まることもあります。皮膚が青白くなるのも特徴です。
心不全
心臓の機能が低下して、十分な血液を送り出せない状態が心不全です。静脈血を心臓に戻す力が低下するため、血液が手や足で滞り、血液中の水分が血管の外にしみ出してむくみが起きます。また、急激に体重が1キロ以上増えることもあります。夜間に尿量が増え、悪化するとお腹に水が溜まったり、全身にむくみがあらわれます。
※以上の疾患は、医師の診断が必要です。
上記疾患が心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。