とびひの症状は、原因となる細菌の違いによって、大きく2種類に分けられます。ひとつは、水ぶくれをともなうもの、もうひとつは水ぶくれをともなわず、かさぶたができるものです。
両方の症状を併発することも多く、水ぶくれの有無だけではっきりと分別できるわけではありませんが、基本的には以下の2種類に分けられます。
・水ぶくれができるとびひ
とびひのなかでも水ぶくれをともなうものは、水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)といいます。赤くなり、だんだんと薄い皮のはった水ぶくれができていく初期の症状が特徴で、経過とともに水ぶくれの薄皮がめくれたような状態になります。このタイプのとびひの場合、発熱などの全身症状が現れることはありません。
主に「黄色ブドウ球菌」という細菌が原因で、細菌が定着しやすい鼻や口の周りから発症することが多く、汗をかきやすい夏場に多く発症する傾向もあります。
<鼻の周りにできた水疱性膿痂疹のイラスト画像>
・かさぶたができるとびひ
水ぶくれがなく、分厚いかさぶたのようになる症状のとびひは、痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)といいます。赤く腫れたところに膿疱(のうほう:膿をもった水ぶくれ)ができ、厚いかさぶた(痂皮)になります。
このタイプのとびひは、夏場以外でも発症する可能性があり、発熱やのどの痛み、リンパの腫れなどの全身症状をともなうのが特徴です。
主に「溶血性レンサ球菌」という細菌が原因ですが、実際には純粋にレンサ球菌によるものだけでなく、ほとんどが黄色ブドウ球菌との混合感染になっています。
<痂疲性膿痂疹のイラスト画像>