ガットフレイルとは、ガット(胃腸)とフレイルティー(虚弱)を組み合わせた「胃腸の働きの虚弱化」を表す新しい概念で、さまざまな病気の増悪因子と考えられています。また、「脳腸(腸脳)相関」といって、胃腸の不調がアルツハイマー病などの脳の病気にも影響することもわかってきています。
ガットフレイルの診断基準は現在検討が進められている段階ですが、潜在的な指標の候補として、胸やけ、胃痛、胃もたれ、便秘、下痢などがあげられます。
その中でもガットフレイルの重要な要因とされるのが便秘です。便秘の人は、便秘ではない人と比較して10年後、15年後の生存率が有意に低いことがわかっています*1。また2019年の米国消化器病週間(DDW)では、日本の慢性便秘症の人は「年間122万円の労働生産性を損失している」と発表されました*2。
ガットフレイルの対策としては、まずは便秘の改善が重要です。そのためには、以下の生活習慣を心がけ、腸内環境を整えるとよいでしょう。
*1 Chang JY, et al. Am J Gastroenterol. 105, 822-832, 2010.
*2 Tomita T, et al. J Gastroenterol Hepatol. 36, 1529-1537, 2021.