腸疲労

食べ過ぎや飲み過ぎの心当たりがないのに、なんだか胃腸の調子が悪い――このような場合、腸疲労が原因かもしれません。腸疲労は医学的に正式な疾患名ではありませんが、その名の通り「腸が疲れている状態」のことで、便秘、下痢、胃痛、胸焼け、吐き気、げっぷ、お腹の張り、食欲不振などの症状がみられます。

腸の疲れは便にもあらわれます。便の色が黄色や黄色に近い褐色で、やわらかいバナナの形状をしていれば健康です。一方で、色が黒っぽく臭いがきつい場合には腸が疲れている可能性があります。

腸疲労の原因の1つは、腸内細菌である「善玉菌」の減少です。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が減少すると、腸の粘膜が修復されず荒れた状態となり、腸に疲労が溜まってしまいます。また、不安や緊張からくる心身のストレスでも、腸内細菌のバランスが崩れ、腸内環境を悪化させることがわかっています。

腸疲労を改善するには、食生活の見直しによって善玉菌を増やすことが大切です。ヨーグルト・乳酸菌飲料・納豆・漬物・大豆・たまねぎ・ごぼう・ねぎ・にんにくなどを積極的に摂取しましょう。また、ストレスを蓄積させないことも重要です。適度な運動や睡眠時間の確保を意識してストレス緩和に努めるとよいでしょう。

ただし、何らかの病気によって、同様の症状があらわれている可能性もあります。いつもと様子が違う、症状が長引くという場合には、一度医療機関を受診してみましょう。

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