弛緩性便秘しかんせいべんぴ

弛緩性便秘とは、大腸の運動機能低下により便を排出する力が弱まった、慢性的な便秘のことです。症状は、便が硬くなり排便が難しくなるほかに、腹痛、腹部の張り、吐き気、食欲低下、肌荒れ、肩こり、頭痛などを伴う場合があります。

摂取した食べ物を便として体外に排出するためには、大腸の 「蠕動運動ぜんどううんどう」 が重要です。蠕動運動とは、腸管が収縮と弛緩を繰り返し、食べ物を直腸に運ぶ運動のことです。

本来であれば、蠕動運動によって便が直腸に送られる過程で、水分を吸収し排泄されます。しかし、蠕動運動が弱まると、便が直腸まで運ばれるのに時間がかかり、便秘を引き起こします。

弛緩性便秘の治療(対処法)としては、生活習慣の改善が基本です。適度な運動や規則正しい食生活、積極的な水分摂取が効果的です。運動で腸の動きを促進し、十分な水分補給で便をやわらかくして、腸の運動機能を助けてあげましょう。

また、1日3食の規則正しい食習慣により、胃や腸を刺激して排便を促すのも有効です。可能であれば、食事内容にも気を配り、穀物類・芋類・果物・生野菜など食物繊維が豊富に含まれているものを食べましょう。

排便は、食事や睡眠と並んで、健康には欠かせない行為です。便秘を放置すると、 腸閉塞ちょうへいそく腸穿孔ちょうせんこう といった疾患を併発する可能性があるため、不安な方は消化器内科や胃腸科など専門の医療機関を受診しましょう。

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