食べすぎ飲みすぎやストレス、ウイルス、ピロリ菌の感染、食中毒、アレルギーなどが原因で胃の粘膜がただれ、みぞおちが突然キリキリと痛むことがあります。胃痛の他に、吐き気や下痢をともなうこともあり、ひどい場合は嘔吐や吐血、下血を起こすこともあります。多くの場合、安静にしていれば2〜3日で治まります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性鎮痛剤、ストレスなどが主な原因で起こると考えられています。強い胃酸と消化酵素によって胃や十二指腸の粘膜が局所的に欠損する疾患です。胃潰瘍は食事中から食後にかけてみぞおち周辺に重苦しい痛みが起こりますが、十二指腸潰瘍は早朝や空腹時にみぞおち周辺がシクシクと痛み、食事をとると治まるのが特徴です。共に胃もたれや吐き気、食欲不振をともないます。
腹膜炎
内臓を包んでいる腹膜が細菌に感染して炎症が起きる疾患です。急性虫垂炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどで胃や腸に穴が開いたり、腸閉塞によって組織が部分的に死滅する壊死などが原因となります。代表的な症状は腹痛ですが、その他に高熱、吐き気、嘔吐、呼吸障害などがあります。適切な処置を行わないと、生命に関わる場合もあります。
虫垂炎(盲腸炎)
盲腸の先についている虫垂という部分に炎症が起きる疾患です。突然みぞおちやおへその部分が痛くなり、次第に右下腹部へと痛みが移動するのが特徴で、吐き気や嘔吐、発熱をともないます。放置すると重篤な腹膜炎を起こす危険性もあります。10〜30代に多く発症し、暴飲暴食、過労などが引き金になって起きると考えられています。
腸閉塞(イレウス)
腫瘍や腸の動きの障害、腸のねじれなどによって、腸が詰まり、そこから先に腸の内容物が運ばれていかない状態です。腸に便やガスが溜まり、腹痛、お腹の張り、吐き気や嘔吐といった症状がみられます。
肝炎、胆石症、膵炎
肝炎ウイルスに感染して起きる急性肝炎では、黄疸、発熱、全身倦怠感、吐き気・嘔吐などの症状があらわれます。また、胆汁が固まって胆のうに石ができる胆石症や、たんぱく質を分解する酵素が膵臓自身を攻撃してしまう膵炎も、腹痛や吐き気、嘔吐がみられます。胆のうや膵臓の疾患は、脂肪の多い食事やアルコールの飲みすぎなどが原因と考えられています。
メニエール病
自分や周囲がぐるぐる回るめまいと、どちらか一方の耳にだけ起きる耳鳴り、そして難聴の3つが同時に起き、多くの場合、強い吐き気や嘔吐をともないます。過労やストレスが引き金になることがあります。危険な疾患ではありませんが、放置すると耳鳴り・難聴が進行します。
突発性難聴
突然、片方の耳に強い耳鳴りと難聴が起こり、その約半数がグルグルと回転する、吐き気をともなうめまいに襲われます。重い場合は、耳がまったく聞こえなくなります。発作は一度きりで繰り返すことはほとんどありません。ウイルス感染や内耳の血流障害が原因と考えられ、過労やストレスが引き金になることが多いといわれています。
自律神経失調症
精神的なストレスや過労が引き金となって自律神経が乱れ、心や体に不調があらわれた状態です。不安や緊張、抑うつなどの心のトラブルにより、吐き気をはじめ多汗、全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠などの症状があらわれます。あらわれる症状は人によって大きく違うのが特徴です。
この疾患・症状に関連する情報はこちら。 ストレス 自律神経の乱れ
くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍
くも膜の内側の動脈が破裂して、くも膜下腔に出血が起きるくも膜下出血では、突然激しい頭痛と吐き気、嘔吐を生じ、意識を失って危険な状態に陥ることがあります。脳内の細い動脈が破れる脳出血では、激しい頭痛や吐き気、手足のマヒ、片マヒなどの症状があらわれます。脳腫瘍の場合も頭痛や吐き気が起き、腫瘍ができた場所によって視力障害、言語障害などさまざまな症状があらわれます。
緑内障
緑内障は眼圧が上昇し、視野が狭くなったり、視力が低下する疾患です。放置すると失明に至ることもあります。緑内障の中には眼圧が急上昇するタイプがあり、目の激痛、頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が起こり、光の周りに虹がかかったように見えることがあります。このような場合には発症48時間以内に早急に処置をしないと、失明の可能性が高くなります。