急性期には、無理して肩を動かさないようにしましょう。重い荷物を持ったり、運動をするなど、痛みをともなう動作は避けるようにしましょう。発病4〜5日後からの慢性期への移行期間と、その後の慢性期は逆に、日常動作を積極的に行うようにしましょう。
慢性期は振り子運動をする
慢性期では、振り子運動が有効です。痛くないほうの手で机にもたれかかり、ペットボトルやアイロンなど500gから1kgくらいの重さのものを痛い方の手で持って腰をかがめて前後、左右にゆっくり振ります。手に持ったものの重みで、肩の周りの腱が伸びて楽になります。
寝るときの姿勢を工夫をする
最も楽に寝られる姿勢を取りましょう。枕は首の骨が自然なカーブを保てる高さにします。寝ている間に肩が冷えると痛みが起こることがあります。布団から肩が出ないように、サポーターを使用したり、バスタオルや毛布を掛けるなど工夫をしましょう。
服選びや、着替える際に注意をする
そでや腕回りがゆったりとした衣類を選びましょう。また、急性期ではかぶるシャツや後ろにファスナーがある衣類を避け、体の前面で開くものを選びましょう。着るときは痛いほうの腕から先に袖を通し、脱ぐときは逆に、痛くない腕から脱ぐと良いでしょう。
肩を温めて血行を良くする
カイロや温感湿布を当てたり、サポーターを付けるなどして、肩を冷やさないようにします。ぬるめのお湯でしっかり温まる入浴法も有効です。ただし、急性期で冷やしたほうが痛みがやわらいだり、楽と感じる場合は、氷のうなどで15分ぐらい冷やすのもいいでしょう。
市販の薬を使う
痛みが強い場合は、市販の鎮痛消炎成分インドメタシンなどが配合された貼り薬を使うのも良いでしょう。貼り薬は冷感タイプと温感タイプがありますが、とくにこだわらず、自分が気持ちが良いと思う方を選びましょう。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤(飲み薬)を使用するのも良いでしょう。また、ビタミンB1、B6、B12が配合されたビタミン剤は、体の中からこりを緩和する効果があります。
病院で診察を受ける
四十肩・五十肩だと思っていたら、肩の筋肉と骨をつないでいる腱板が部分的、あるいは完全に断裂する腱板断裂のケースもあります。腱板断裂は、四十肩・五十肩とは違い、自然に治りにくく、放置すると痛みがひどくなります。原因を見極めるためにも、整形外科を受診するようにしましょう。