監修
山下 明子 先生 (医療法人社団 如水会 今村病院 副院長)

イライラするときの原因は以下のようにさまざまです。一つだけでなく、これらが絡み合っていることもあります。
・ストレス
・睡眠不足
・疲労の蓄積
・環境の変化
・食生活の乱れ
・ホルモンバランスの乱れ
まずは、主に考えられる原因について詳しく見ていきましょう。
イライラする原因として、ストレスが挙げられます。特にビジネスパーソンにおいては、業務量の多さや転勤、人間関係、将来への不安などの心理的・社会的ストレスはイライラを感じる大きな要因です。
ストレスを感じると、イライラの他に不安や抑うつ、気力の低下、頭痛、肩こり、腰痛、胃痛、食欲低下などさまざまなストレス反応が現れることもあります。
ストレスが続き、胃の不調など身体症状が出ている場合は、市販薬の活用も選択肢の一つとなるでしょう。
<ストレスについて、詳しくはこちら>
・【セルフチェック】知らないうちにストレスをためていないか確認してみましょう
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十分な睡眠時間が取れなかったり睡眠の質が低下したりすると、疲労やストレスを回復することができずイライラしやすくなります。
また、睡眠不足は日中の眠気や疲労の他、注意力や判断力の低下、頭痛、情緒不安定などさまざまな問題を引き起こします。これらの症状により、些細なことでもイライラしやすくなるため注意が必要です。
届出表示:本品にはユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)を含みます。ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)には、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善し、起床時の疲労感を軽減する機能、作業時の一時的なストレス(イライラ感、緊張感)を緩和する機能が報告されています。
仕事や家事、育児などで十分に休めない状態が続くと、心身の疲労が蓄積してイライラしやすくなります。
疲労が蓄積すると、脳疲労や自律神経の乱れなどを引き起こす原因にもなり、さらにストレスが増すこともあります。疲れが取れないまま気合いで乗り切ろうとするのは避け、休息や睡眠、食事の見直しを意識することが大切です。
なお、普段の食事で十分な栄養を摂るのが難しい場合には、状況に応じて医薬品や栄養補助食品などを活用するのも選択肢の一つです。
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季節の変わり目や天候の変化、職場での配置転換や業務内容の変化、転職、引っ越しなど、環境が変化することもイライラの原因になります。
このような環境の変化によって自律神経が乱れると、脳が常に緊張状態となり、怒りやすくなったり、イライラが持続したりすることもあるため注意が必要です。
食生活の乱れによって本来必要な栄養素が不足すると、イライラや疲労の蓄積につながってしまいます。
特に以下の栄養素は、朝食の欠食や糖質の多い食生活、間食などによって不足しがちなため、チェックしてみましょう。
<必要な栄養素と不足することで起こり得る状態の例>
| 栄養素 | 不足することで起こり得る状態 |
|---|---|
| ビタミンB群 | ・疲労 ・不安 ・イライラ ・焦燥 など |
| ビタミンC | ・疲労 ・抑うつ ・イライラ など |
| 鉄 | ・やる気、集中力の低下 ・体温の低下 など |
| カルシウム | ・イライラ ・抑うつ ・忘れっぽくなる など |
| マグネシウム | ・食欲不振 ・倦怠感 ・脱力感 など |
| タンパク質 | ・免疫機能の低下 ・ストレス耐性の低下 など |
上記に加えて、主食・主菜・副菜が揃ったバランスの良い食事を心がけることで、心身の調子が整いやすくなるといわれています。
ホルモンバランスの乱れも、イライラを引き起こす原因の一つです。
女性の場合、月経前や更年期などでエストロゲンやプロゲステロンの変動が起こり、イライラや不安感につながります。また、妊娠や出産期にもホルモンバランスの急激な変化が起こることでイライラを感じやすいでしょう。
男性の場合でも、テストステロンの減少が原因で更年期障害が起こり、イライラや不安、うつといった精神症状が現れる可能性があります。
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イライラする状態が続くと、食欲不振や不眠、自律神経の乱れといった悪影響につながることもあります。以下では、これらの症状や原因について詳しく解説します。
イライラする状態が続くと自律神経が乱れやすくなり、消化吸収を促す副交感神経が抑制されることで食欲不振に陥ってしまうことがあります。食欲不振に陥ると栄養バランスが偏り、さらにイライラしやすくなるという悪循環につながることもあります。
一方で、イライラを解消するために食べ過ぎてしまう人も少なくありません。「ストレス食い」や「エモーショナルイーティング」とも呼ばれ、イライラやネガティブな感情を紛らわせるために食べ過ぎてしまうのです。放置すると重度な摂食障害や肥満、糖尿病などに陥るリスクもあるため、注意が必要です。
イライラが続くと交感神経が優位になり、脳が興奮状態に陥ってしまいます。これにより、入眠困難(寝つきの悪さ)や眠りの浅さ、中途覚醒(途中で目が覚める)など、不眠の症状が出やすくなります。
また、イライラを解消するための飲酒や夜食、喫煙、報復性夜更かし(リベンジ夜更かし)※1などが寝つきの悪さを招くこともあるでしょう。
十分な睡眠が取れないことでもストレスや疲労が蓄積され、よりイライラしやすくなるといった悪循環に陥るケースも考えられます。
※1:睡眠時間を削ることで、日中に得られなかった充実感や満足感を取り戻そうとする行為
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【セルフチェック】不眠の原因を知り、質・量ともに十分な睡眠をとりましょう
イライラする状態が続くと、交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすくなります。
自律神経が乱れると倦怠感や頭痛、胃や腸の不調、肩こりや首のこり、めまい、動悸、冷え、しびれなどさまざまな不調が引き起こされます。
自律神経が乱れている状態を放置すると自律神経失調症や精神疾患の併発など、さらに深刻な状態を引き起こす恐れもあるため、注意が必要です。
<自律神経の乱れについて、詳しくはこちら>
【セルフチェック】自律神経が乱れる原因を理解して、健康的な生活を目指しましょう

イライラ感が強く、日常生活への支障が出ている場合、その背景には以下のような病気が隠れている可能性もあります。
・うつ病
・適応障害
・ADHD(注意欠如多動症)
・自律神経失調症
ここでは、イライラが抑えられないときに考えられる病気について詳しく解説します。
※以下の疾患は、医師の診断が必要です。
心配な場合には、早めに医師の診察を受けましょう。
イライラする状態が長く続き、自分では抑えられないと感じる場合、うつ病が関係している可能性があります。
うつ病というと気分の落ち込みや無気力感などの症状をイメージする人も多いかもしれません。しかし、感情のコントロールが難しくなり、理由のはっきりしない強いイライラ感や怒りっぽさが見られる場合もあります。
うつ病の原因は、強いストレス、つらい出来事、慢性的な疲労、遺伝的要因、特定の持病、薬剤の副作用などさまざまです。また女性の場合、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)、妊娠・出産、更年期など、ホルモンの影響でうつ病によく似たうつ症状が起こることもあります。
イライラが続く原因として、適応障害が関係している場合もあります。適応障害に陥ると、強いイライラ感や憂うつ感、不安感、頭痛、不眠などが起こり、日常生活に支障が現れる場合も少なくありません。
適応障害は、環境の変化や過剰適応※2によるストレスで心身のバランスが崩れてしまい起こる不調です。仕事や対人関係などを続けることが困難ではあるものの、うつ病など精神疾患の診断がつくには至っていない状態を指します。ストレスの原因が明確である場合、適応障害が疑われることがあります。
※2:周囲の期待に応えるため、自己犠牲的に働くこと
イライラが抑えられない場合、ADHD(注意欠如多動症)が関係していることもあります。
ADHDは、集中力の低下や注意力・忍耐力の欠如といった症状が見られる発達特性です。こうした特性に加えて、感情のコントロールが難しくなり、気分の変動が大きくなったり、些細なことで強いイライラを感じたりすることもあります。
ADHDは小児期から始まることが多いとされていますが、必ずしも小児期に診断されるとは限りません。不注意や衝動性が目立ちにくい場合や、気分症や不安症といった他の精神疾患に似た症状が強く表れるケースもあり、青年期や成人期まで気づかれない場合もあります。
イライラが抑えられない場合、自律神経失調症が関係しているケースも考えられます。
自律神経失調症は、主にストレスや生活リズムの乱れによって自律神経のバランスが崩れることで引き起こされる疾患です。自律神経は私たちの呼吸や体温調節、血流、内臓の働きなどを司っており、その働きが乱れることで心身にさまざまな不調が現れます。
主な症状は、イライラの他、全身の倦怠感やめまい、頭痛、動悸、多汗、手足の冷えやしびれ、不眠、胃や腸の不調などさまざまです。症状の現れ方には個人差があり、同時に複数の症状が現れたり、時期によって別の症状が現れたりすることもあります。

先述のとおり、イライラした状態を放置すると食欲不振や不眠、自律神経の乱れといった不調が引き起こされることがあるため、早めの対処が不可欠です。
ここからは、今日から実践できる解消法を紹介します。
・睡眠を十分に取る
・疲労回復やストレス解消が期待できる栄養素を摂る
・適度に体を動かす
・友人や家族に話を聞いてもらう
・業務量を調整してもらう
・気持ちを整理する
・笑う
それぞれについて詳しく紹介するので、取り入れやすい方法から試してみてください。
イライラするときは、十分な睡眠を取って体を休めることが重要です。
強いイライラやストレスを感じると脳が興奮状態になり、普段のように深く休息することが難しくなります。そのため、普段よりも長く睡眠時間を取るよう意識することがポイントです。
また、睡眠時間だけではなく、睡眠の質を意識することも必要です。そのためにも、夕方以降のカフェイン摂取や就寝前の喫煙、アルコール摂取は避けるようにしましょう。また、寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まないといった対策で睡眠の環境を整えることも大切です。
このような対策が難しい場合は、睡眠の質を改善する機能が期待される成分を含んだ栄養ドリンクや機能性表示食品などを活用してみるのも一つの方法です。
届出表示:本品にはユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)を含みます。ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)には、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善し、起床時の疲労感を軽減する機能、作業時の一時的なストレス(イライラ感、緊張感)を緩和する機能が報告されています。
イライラを解消する方法として、疲労回復やストレス解消が期待できる栄養素を摂ることも有効です。栄養バランスが乱れると、疲れやすさや気分の不安定さにつながり、イライラを感じやすくなる場合もあります。
疲労回復やストレス解消に関連する主な栄養素は、以下のとおりです。
<必要な栄養素と期待できる主な効果>
| 栄養素 | 期待できる主な働き |
|---|---|
| ビタミンB群 | ・疲労の回復 ・エネルギー代謝を助ける など |
| ビタミンC | ・抗酸化 ・抗ストレス など |
| 鉄 | ・脳の働きを維持する など |
| カルシウム | ・神経の興奮を抑える ・筋肉の収縮を調整する など |
| タンパク質 | ・免疫や代謝、血圧の調整 ・神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン)の生成 など |
| トリプトファン | ・セロトニンの材料となり気分の安定に関与 ・睡眠導入 ・記憶学習に関与 など |
| マグネシウム | ・セロトニンの材料となり気分の安定に関与 ・筋肉の緊張を緩和 など |
| ポリフェノール | ・抗酸化作用による自律神経の安定化 など |
特定の食品に頼るのではなく、これらの栄養素が含まれる食品をバランス良く摂取するようにしましょう。
また、すぐに食生活を変えることが難しい場合や、食事だけで補いきれない場合は、医薬品やサプリメントなどで補給するのも選択肢の一つです。
<関連記事>
・栄養バランスの良い食事とは?ポイントや無理なく続けるための工夫を紹介
・栄養ドリンクは毎日飲んでも大丈夫?配合成分や効果・効能、選び方について紹介
イライラ解消のためには、適度な運動を取り入れることもポイントです。
特に効果的なのは、軽いランニングやサイクリング、ダンスなどの有酸素運動です。難しい場合は軽めのウォーキングや、公園などで少しアクティブに過ごすだけでもリラックス効果が期待できます。
また、日光を浴びることでセロトニンが分泌され、精神の安定や睡眠リズムの改善なども期待できます。
イライラするときは、友人や家族に悩み事を聞いてもらうことも気持ちを落ち着かせる助けになります。
自分の気持ちを打ち明けることで得られる「すっきりした」「胸につかえていたものが取れた」という感覚を「カタルシス効果(浄化)」とも言い、自己理解や気づきにもつながります。
また、身近に話せる人がいない場合や深刻な悩み事がある場合は、相談窓口やカウンセリングなどの相談サービスを利用するのも選択肢の一つです。無理に一人で抱え込まず、話しやすい相手や機関を頼るようにしてください。
業務過多やマルチタスクなど仕事が原因でイライラやストレスを感じているのであれば、職場に相談し、業務量を調整してもらうのも対処法の一つです。
業務量が多い状態が続くと、集中力や判断力の低下が起こり、ミスやトラブルが増えることでさらにストレスが悪化することもあります。できれば上司や同僚に状況を共有し、優先順位の見直しや一時的に業務量を調整してもらえないか相談してみましょう。
どうしても難しい場合は、こまめな休息を取ったり、短時間だけでも仕事から離れる時間を取ったりすることでもストレスの軽減につながります。
イライラしているときには、自分の気持ちを整理することも効果的です。
特におすすめなのは、イライラしている気持ちや原因をノートやスマートフォンのメモに書き出してみる方法です。これは「ジャーナリング」とも呼ばれ、頭の中で考えていることを整理する方法として知られています。その結果、物事が客観的に見られるようになったり、解決策を見つけやすくなったりする効果が期待できます。
もし文章を書くことが苦手であれば、落書きやイラスト、図、キーワードの書きなぐりなどでも問題ありません。大切なのは、頭の中にある感情や考えを外に出し、整理することです。
イライラを解消するためには、意識的に笑うことも大切です。
「イライラしているときに笑う気分にはなれない」と感じる人もいるかもしれませんが、笑うと表情筋の動きが脳へ伝わり、副交感神経が優位になって心身の緊張も和らぎます。脳内ではドーパミンやセロトニン、オキシトシンなど幸福ホルモンの分泌が促され、気分の落ち込みやイライラを軽減する作用が期待できるのです。
また、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を一時的に下げる作用もあり、ストレスが強い時期の精神的な過緊張を和らげるとされています。
なお、必ずしも面白いと感じる場面で笑う必要はありません。意図的に口角を上げる、軽く笑顔を作るだけでも脳は「笑っている」と認識するため、ストレス軽減の効果が期待できます。

イライラするときは、今回紹介したようなセルフケアを取り入れるだけでも、脳や自律神経の負担が軽減され気持ちの波が落ち着きやすくなります。特に十分な睡眠、適度な運動、バランスの良い食事は、神経伝達物質の働きを安定させ、ストレスホルモンの過剰分泌を抑えるうえでも有効です。気持ちを整理するために自分に合った方法を模索したり、物事の捉え方を見直したりする工夫も役立つでしょう。
また、イライラやストレスがある場合は、ビタミンB群やビタミンC、鉄、カルシウム、タンパク質といった栄養素が不足していないか確認してみてください。すぐに食生活を変えることが難しい場合や、食事だけで補いきれない場合は、医薬品やサプリメントなどで補給するのも一つの方法です。
ただし、セルフケアを行ってみても強いイライラが長期間続いている場合は、うつ病や適応障害といった疾患の可能性もあります。そのような場合は適切な治療やサポートが先決となりますので、自己判断せず、早めに医療機関へ相談することも大切です。
■参考文献
・厚生労働省 ストレス
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-031
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.dietitian.or.jp/trends/upload/data/342_Guide.pdf