生理前かどうかにかかわらず、そもそも女性は便秘に悩む人が多い傾向にあります。それには、以下のようなことが関係しているといわれています。
●男性に比べて臓器が密集している
女性の腹部には、胃腸などの消化器系や膵臓、肝臓といった臓器以外に、子宮や卵巣などの生殖器も収まっています。そのため、生殖器が体の外に出ている男性と比べて多くの臓器が密集した状態にあり、お腹のトラブルが起きやすい傾向があります。
また、一見すると便秘には関係のなさそうな臓器のトラブルによって便秘が起こるケースも。子宮筋腫がある場合、筋腫の位置や大きさによっては腸を圧迫し、便秘を引き起こす原因になることもあります。
●女性ホルモンの影響
生理前は、来るべき出血の時期に備えて体が水分などを溜め込みやすくなるため、大腸での水分吸収が増加し、便が硬くなり、排泄しにくくなることがあります。これには、卵巣から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)が関係しますが、詳しくは後ほどご紹介します。
●食事量の少なさ
食事の量も排便に影響を与えます。女性は男性に比べて食事量が少なく、便として排出される絶対量が少ないことから、便秘になりやすい傾向があります。特にダイエットをしている場合、便が十分に出ないこともあるので、食事の減らしすぎには要注意です。特に、生理前の便秘には食物繊維を多く摂ることが有効なことがあります。
●排便や便意に対する意識
女性は排泄をしたり、便意を知られたりすることに恥ずかしさを感じやすいといわれています。特に他人と一緒の時には、恥ずかしさから排便を我慢する傾向が強まるようですが、普段から便意を我慢することが多いと骨盤底筋群のひとつである肛門周辺の筋肉がうまく働かなくなり、その影響で便秘を引き起こすことがあります。便意を感じたら、なるべく我慢せず、排便のリズムを整えていきましょう。