喉は、鼻の奥や口から食道の入り口までの「咽頭」と呼ばれる部分と、空気が通る気管の入り口にある「喉頭」と呼ばれる部分で構成されています。 口や鼻は飲食物や空気の通り道であるだけでなく、空気中に含まれるさまざまな細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入する入り口にあたります。
喉の主な働きとして、呼吸(息をする)、嚥下(飲食物を飲み込む)、発声(声を出す)が挙げられます。また、飲食物が肺へ行かないように、空気と飲食物を気管と食道へ振り分ける働きも。さらに、喉には病原菌を撃退する防御機構も備わっています。
<異物の侵入を防ぐ防御機構>
喉や気道には空気中に含まれる病原菌をはじめとする有害物質を排除するために、防御機構として下記が存在しています。
●扁桃はのど元を監視
扁桃は喉の周囲を取り巻く組織で、通過する食べ物や外気に監視の目を光らせています。4種類ありますが、口を大きく開けたときに突き当たりの左右に見える口蓋扁(こうがいへん)桃(とう)を一般に扁桃と呼びます。扁桃はリンパ組織の集まりで、外部から侵入したチリやホコリなどの異物、ウイルスや細菌などの病原体を排除し、体を守る関門の役割をしています。
●線毛は異物の侵入を防ぐ名ガード
線毛は細胞の表面に存在する、波打つような動きをする突起です。表面は粘液で覆われています。この線毛を波打たせる運動を線毛運動といい、粘液でからめとられた異物やゴミが体外に排出されます。
のど(喉)の痛みが起こるメカニズム
喉は外界の空気が最初に触れる器官であるため、ウイルスや細菌などの病原体に感染し炎症を起こしやすく、またアレルギー反応を起こしやすい場所といえます。体が疲れていたり、乾燥した空気やタバコ、刺激性ガスなどの影響により線毛運動の働きが弱くなったりすると、病原体などの異物が排出されにくくなり、体内に侵入しやすくなります。
病原体が侵入すると喉の細胞が傷害されますが、体はそれに対抗しようとして炎症反応を起こし、炎症物質や痛みを促進する物質を産生します。炎症物質が神経を刺激すると同時に、血管を広げて血流を増加させることで、喉に熱感がともない腫れるのです。