結膜炎は一般的に、充血、目やに、かゆみ、涙目、ゴロゴロする異物感などの症状があらわれます。黄色ブドウ球菌などに感染して起きる細菌性結膜炎は、黄色い膿のような目やにが特徴です。感染力は強くありませんが、抵抗力が弱い高齢者や乳幼児などでは慢性化することがあります。
ウイルス性結膜炎(はやり目)
アデノウイルスなどに感染して起きるウイルス性結膜炎は、目やにがべっとりつき、まぶたが腫れたり充血したりする他、耳前リンパ節にしこりができることもあります。夏にプールでうつることが多い咽頭結膜熱(プール熱)は、目のかゆみの他にのどの痛みや発熱、だるさ、吐き気、下痢などの全身症状をともないます。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、アレルギーの原因となる異物が結膜に入ることで目に充血や強いかゆみが起きる疾患です。結膜がむくんで白目の部分がブヨブヨになることもあります。ハウスダストが原因の通年性のものとスギなどの花粉が原因の季節性のものがあり、最近ではコンタクトレンズの汚れが刺激になって起きることもわかってきました。
春季カタル
アレルギー性結膜炎の重症型で、花粉やハウスダストが原因と考えられています。強いかゆみやまぶしさに加え、充血、糸をひくような目やにが出ます。さらに悪化すると、まぶたの裏に白いブツブツができます。アトピー体質の子どもに起こりやすく、春から夏にかけて症状が悪化する傾向があります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ・ものもらい)
まぶたのふちや内側にある皮脂腺に黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して起こります。まぶたの一部が赤く腫れてかゆみが出たり、まばたきで痛みを感じたり、まぶたが重たくなるなどの症状があらわれます。膿をもった部分が白っぽくなることもあります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
まぶたの中に小さな球状のしこりができるのが霰粒腫です。このしこりは、まぶたの内側の皮脂腺に、分泌物などが溜まったものです。しこりは、触ってみるとまぶたの中でグリグリと動きますが、通常痛みはあまりなく、かゆみもたまに感じる程度です。さらに細菌感染し、しこりの周囲に炎症を起こすと赤く腫れ、痛みが生じます。
ドライアイ
目を酷使したり、乾燥した室内に長時間いることで、目の表面を潤している涙が蒸発したり、分泌量が減って角膜が乾燥します。その結果、角膜に供給される酸素や栄養素が不足し、目の疲れやかゆみ、ゴロゴロとした異物感、充血といったトラブルを引き起こします。
この疾患・症状に関連する情報はこちら。目の乾燥(ドライアイ)
眼瞼炎、眼瞼縁炎(がんけんえん、がんけんえんえん)
まぶたに起こる炎症をまとめて眼瞼炎、まつ毛の根元付近に起こるものを眼瞼縁炎といいます。麦粒腫のように、ウイルスや細菌の感染が原因になるものと、化粧品や石けん、毛染め、点眼液などさまざまな物質の刺激が原因になるものとがあります。痛みやかゆみがあらわれることが多く、原因によってはただれや水泡をともなうこともあります。