ウイルスや細菌が肺に侵入し、炎症を起こします。風邪をこじらせたりすることも原因の一つです。症状としては、のどが痛くないのにせきやたんが出たり、38℃以上の高熱が続きます。また、肺の働きが低下して呼吸が苦しくなることもあります。体力が落ちている人や、免疫力の弱いお年寄りは注意が必要です。
気管支炎
ウイルスや細菌による感染などによって、気管支が炎症を起こします。急性気管支炎は、乾いたせきや発熱、のどの痛み、鼻水、頭痛の症状があらわれるので、風邪と間違える場合も多くあります。慢性気管支炎に進行すると、せきやたんが慢性的に繰り返されます。
気管支喘息
アレルギーによる気管支の炎症や、アレルギーによって気道が過敏になって気道が狭くなり、息が苦しくなる発作を繰り返します。喘息の発作時には、せき、たん、ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴・ぜいめい)、呼吸困難があり、息を吸うときより吐き出すときの方が苦しくなるのが特徴です。
百日ぜき
百日ぜき菌という細菌に気道の粘膜が感染し、炎症を起こします。初期は軽いせきや鼻水など、風邪に似た症状がみられますが、その後1週間ほど経過すると、連続で出る激しいせきの症状があらわれます。乳幼児に多くみられます。
肺結核
結核菌という細菌に肺が感染して起こります。せき、たんや肉眼では確認できない微量の血が混じったたん、微熱などの症状が2週間以上続きます。結核菌は、結核菌感染患者のせき、たんなどによって感染が広がりますが、初期症状が軽いため、感染に気付かないこともあります。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長年の喫煙習慣などが原因で起こります。慢性気管支炎になり、せきやたん、息切れが続いた後、ゆっくりと肺の機能が低下して、徐々に呼吸が苦しくなり、最終的には呼吸不全になることもあります。30〜40年近くかけて進行するため、自覚がない場合が多いといわれています。
肺がん
喫煙や車の排気ガスなどが深く関与しているといわれています。初期段階や小さな肺がんでは全く自覚症状がありません。レントゲン撮影で偶然見つかることが多く、せきや血たん、呼吸困難などの症状があらわれます。がんの死亡率で第1位の肺がんは、がん死亡数の約2割をしめています。