脳梗塞は脳の血管内腔の動脈硬化が進行し、血管が狭くなっているところに血液の塊が詰まったり、心臓等から血栓が流れてくることによって血流が止まり、脳の組織が破壊される疾患です。血液の塊が詰まると、片側の手足や顔の麻痺、意識障害や言語障害などの症状があらわれます。小脳は運動のバランス調節する働きがあるので、小脳梗塞が起こると体のふらつきが見られます。
脳出血
高血圧などが原因となって、脳内の血管が破れて脳の中に出血による血液の塊ができる疾患です。出血が起きると、ふらつきによってまっすぐ歩けなくなったり、意識障害や手足の片方の麻痺が起こったり、徐々に強くなる頭痛などの症状があらわれ、言語障害や手足の麻痺などの後遺症が残る場合も少なくありません。出血を起こした場所によっては、数分のうちに昏睡状態におちいり、死に至るケースもあります。
脳腫瘍
頭蓋内にできた腫瘍が大きくなることによって、脳や脳周囲の脳組織に侵入したり圧迫したりして、脳機能に障害をもたらす疾患です。特徴的な症状は頭痛と吐き気、嘔吐です。腫瘍によって頭蓋内圧が高くなることで生じる頭痛は早朝に痛みを強く感じ、日中にかけて次第に弱くなる特徴があります。さらに腫瘍がどこで発生したかによって、記憶力や判断力の低下、手足の麻痺やけいれん、ふらつきなど、さまざまな症状があらわれます。小脳腫瘍では、ふらつきが徐々に進行します。
メニエール病
自分や周囲がぐるぐる回るめまいによるふらつきと、どちらか一方の耳にだけ起きる耳鳴り、そして難聴の3つが同時に起き、多くの場合、強い吐き気や嘔吐をともないます。過労やストレスが引き金になることがあります。危険な疾患ではありませんが、放置すると耳鳴り・難聴が進行します。
起立性低血圧症
健康な人でも急に立ち上がったり起き上がったとき、立ちくらみすることがあります。この立ちくらみが日常の動作の中で頻繁に起こるような場合は起立性低血圧症が疑われます。これは自律神経の一時的な障害で、急に立ち上がったときに脳の循環がとどこおり、血液が下半身に停滞してしまって、低血圧と脳の血流不足が起こるために起こります。クラクラとする立ちくらみや目の前が暗くなったり、ひどいときは気を失って倒れることもあります。起立性低血圧は改善可能な場合も多いですが、一部は何等かの病気の症状のこともありますので、繰り返すときは病院を受診しましょう。
この疾患・症状に関連する情報はこちら。 血圧が低めである
自律神経失調症
精神的なストレスや過労が引き金となって自律神経が乱れ、心や体に不調があらわれた状態です。検査をしてもこれといった原因が見つからないことが多いです。症状としては全身の倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、めまい、ふらつき、下痢、便秘、不眠、不安、イライラなどの症状があらわれます。あらわれる症状は人によって大きく違うのが特徴です。
この疾患・症状に関連する情報はこちら。 自律神経の乱れ
更年期障害
閉経前後の約10年間をさす更年期を迎えると、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少により自律神経のバランスが崩れてほてり、のぼせ、イライラ、息切れ、動悸、めまいやふらつき、肩こりなど心と体にさまざまなトラブルが生じます。ふらつくようなめまいは、脳に流れる血流の変化によって感じられます。また、顔が突然カーッと熱くなって首や背中に汗が流れる症状はホットフラッシュと呼ばれ、更年期障害の前半にあらわれる最も代表的な症状です。
この疾患・症状に関連する情報はこちら。 更年期障害