胃食道逆流症は、大きく3つのタイプに分けることができます。「非びらん性胃食道逆流症」、「軽症型逆流性食道炎」、「重症型逆流性食道炎」の3つです。
この中で、胸やけなどの症状だけが起こる非びらん性胃食道逆流症が50%ほど、傷が小さく合併症を起こしにくい軽症型逆流性食道炎が47.5%ほど、傷が大きく出血などの合併症が起こりやすい重症型逆流性食道炎が2.5%ほどを占めています。それぞれについて詳しく紹介していきます。
非びらん性胃食道逆流症
非びらん性胃食道逆流症では、胸やけ症状はよく起こりますが、病院を受診して内視鏡検査を受けても、食道にも胃にも傷などの異常は見つかりません。このタイプは胃食道逆流症の半分(50%)ほどを占めており、最も多いとされています。
非びらん性胃食道逆流症は、困った合併症を起こすこともほとんどありませんので、不快な胸やけ症状をどのように起こらなくするかが大切です。
軽症型逆流性食道炎
軽症型逆流性食道炎では、胸やけを繰り返す場合に内視鏡検査をしてみると、食道下部の最も胃に近い部分に、小さい傷ができています。傷が小さなものであるため、出血などの合併症を起こすことはほとんどありません。また、経過を何年も見た研究でも、だんだんと傷が大きくなって重症になっていくわけではないとされています。つまり、軽症のものは何年経っても軽症のままであることが多いことが分かっています。胃食道逆流症の中の50%ほどを占めている、食道に傷がある逆流性食道炎の中で95%ほどは軽症型逆流性食道炎に当てはまります。
つらい症状が起こらないように、また起こってしまった場合には、すぐに良くなるように治療することが大切です。
重症型逆流性食道炎
重症型逆流性食道炎は、胃食道逆流症の中の2.5%ほどであり、幸いにも有病率が低いタイプです。逆流性食道炎の中では、5%ほどがこの重症型に当てはまります。重症型逆流性食道炎では、出血や食道狭窄(しょくどうきょうさく:食道の一部が狭くなり、食べ物や飲み物が通りにくくなる状態のこと)などの合併症を起こしやすく、病院や診療所で治療を継続して受けることが必要と言われています。