熟睡できないのはなぜ?原因や質の良い睡眠をもたらす

熟睡できないのはなぜ?原因や質の良い睡眠をもたらす"熟睡"習慣を紹介

「たくさん寝たのに、なんだか寝た気がしない」「熟睡できなかった」――。目覚めたときにそう感じた経験はありませんか?
健康に生きていくうえで欠かせない睡眠ですが、日本人の約7割が睡眠に対して何らかの不満を抱えているようです(令和元年国民健康・栄養調査報告)。一生のうち、約1/3もの時間を占めている睡眠時間に満足できないのは、人生の大きな損失といえるでしょう。ここでは、熟睡が妨げられる原因と対策を解説します。
井上 雄一 先生

監修

井上 雄一 先生 (睡眠総合ケアクリニック代々木(医療法人社団絹和会) 理事長、アジア睡眠医学会 理事長)

熟睡できない原因はさまざま。まずは自分の原因を探してみよう!

そもそも熟睡とは?

「熟睡」とは、起床時に気持ちよく目覚められ、「よく眠れた」と満足できる睡眠のこと。このような目覚めのためには、睡眠時間を十分に確保することはもちろん、睡眠の“質”を高めることが大切です。

睡眠の質には、「睡眠休養感」と呼ばれる、主観に基づく指標があります。睡眠休養感は、夜間の睡眠によって休養が取れている感覚のことを指し、睡眠休養感が高いことは睡眠の質の高さにつながります。熟睡する、つまり高い睡眠休養感を得るには、ノンレム睡眠、特に徐波睡眠が多いことも重要だと考えられています。

睡眠休養感に大切なノンレム睡眠、徐波睡眠とは

睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に大別されます。

前者のレム睡眠は「身体の睡眠」と呼ばれ、脳は活動しており、レム睡眠中には夢をみやすいことが知られています。一方、後者のノンレム睡眠は「脳の睡眠」と呼ばれ、脳の活動は低下しています。そのノンレム睡眠は、睡眠の深さ(脳波の活動性)によってステージ1~3(浅い→深い)の3段階に分けることができ、ステージ3にあたる、特に深い睡眠が「徐波睡眠」です。

睡眠中にはレム睡眠とノンレム睡眠が何度か繰り返されます。その波の中で、徐波睡眠を十分に得られ、かつレム睡眠となったタイミングで目覚めると、「よく眠れた」と満足することが多いようです。

なんで「熟睡」が必要なの?

睡眠には、

  • 疲労回復やストレス解消
  • 体の成長を促す
  • 傷ついた細胞を修復する
  • 記憶の定着や整理に寄与する

などの働きがあると考えられています。

「熟睡」は、これらの働きが正常に機能するために必要です。眠りが浅くて熟睡できない日が続くことによって、疲労が蓄積してしまうだけでなく、集中力や記憶力の低下なども起きてしまいます。

なかには、よく眠れている人は、眠れていない人よりも仕事に満足している人が多いという調査結果も(()ドクタートラスト「ストレスチェック全国データからの考察 従業員の睡眠改善に企業ができること」)。

そういったことから、自身の健康や仕事効率化のためにも、睡眠の質を高め、熟睡を目指すのは重要です。

熟睡を妨げる主な原因

熟睡できないときの対策には、まず、熟睡を妨げる原因を探し出すことが必要です。原因が一つとは限りません。あなたの熟睡を妨げているかもしれない主な原因を挙げてみましょう。

睡眠環境

寝室の照明が明るすぎる、騒音がする、室温や湿度が適切でない、枕の高さや寝具の硬さ・重さが自分に合わない、気になる臭いがするなど。思いあたることがないか一度考えてみてください。

生活習慣

運動不足や就寝の直前の食事も熟睡を妨げます。また、よく知られていることですが、カフェインやアルコールなどの嗜好品の摂り過ぎもよくありません。その他に、空腹感が熟睡を妨げることもあります。

また、夜になってから明るい光を浴びると、概日リズムの調節に関連するメラトニンというホルモンの分泌が抑制されてしまいます(概日リズムの詳しい説明は後述)。なかでも、スマートフォンなどのブルーライトは、覚醒作用がより強いといわれているため、寝る前の使用は控えるようにしましょう。

加齢や性差

歳を重ねるに従い、徐波睡眠は少なくなり、浅い睡眠が増えてきます。そのため高齢になるほど、熟睡した感じ(睡眠休養感)を得られにくくなってきます。また、性別で比較すると、女性は性ホルモンの分泌量の変動(月経周期)に関連して、睡眠が妨げられやすいことも知られています。一般的に、黄体期(月経前の約2週間)は、睡眠が浅くなり、日中の眠気が強まることが多いようです。

睡眠障害

不眠症、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、むずむず脚症候群などの病気のために、睡眠が邪魔されて睡眠時間が減ったり、睡眠の質が低下してしまうこともあります。

※睡眠中に呼吸が止まってしまうことでさまざまな合併症を起こす病気

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喘息などによるせきの症状

喘息はアレルギーによって気管支に炎症が続く病気で、夜間や早朝に悪化しやすい特徴があります。適切な治療を継続すると、発作が治まり、健康な人と同じような生活が送れるようになります。

不快な風邪症状

喘息によるせきだけでなく、せきやたん、鼻づまりといった風邪の症状があると、熟睡が難しくなるので、症状が長引く前にしっかり対処しましょう。

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セルフチェック

あなたは良い眠りがとれていますか?不眠になりやすい生活習慣のチェックをしてみましょう。
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質の良い眠りへいざなう“熟睡”習慣

熟睡できない主な原因に対する対策を紹介していきます。良くない睡眠習慣を“熟睡”習慣に変えて、毎朝すっきりと目覚められるようにしていきましょう。

規則正しい生活習慣を意識する

不規則な生活は睡眠を妨げる原因となります。熟睡習慣のために、まずは規則正しい生活習慣を意識するところから始めると良いでしょう。

規則正しい生活習慣を意識する際に大切なポイントは、概日リズム(サーカディアンリズム)です。人の体温やホルモン分泌などの体の基本的な機能は、約24時間の周期で繰り返していて、これを概日リズムと呼んでいます。概日リズムは体内時計としての役割を果たしていて、睡眠や覚醒の波も概日リズムの影響を受けます。不規則な生活パターンでは概日リズムと実際の行動との時間差が大きくかけ離れてしまって、質が良く、十分な量の睡眠が得られにくくなってしまいます。

概日リズムは早朝に強い光を浴びることで、ずれ(概日リズムと実際の行動との時間差)をリセットできることがわかっています。毎朝決まった時間に起きることを心がけ、起きたらまず、カーテンを開けて、朝日を浴びるようにしましょう。

日中に適度な運動を行う

日中の身体活動量が夜間の睡眠の質に影響を及ぼします。運動習慣がなく身体活動量が少ない人は睡眠休養感が低い、つまり熟睡しにくくなります。反対に、日中に適度な運動を行うことは、入眠の促進(寝つきやすくなる)や中途覚醒の減少(入眠から起床の間に目覚めてしまうことが減る)につながり、睡眠時間を増やし睡眠の質を高めてくれます。

運動の種類や強度

ウォーキングやジョギングのような中強度の有酸素運動は、主観的な睡眠の質、入眠潜時(にゅうみんせんじ)(就床から入眠までの時間)や睡眠時間、睡眠効率(横になっている時間に占める睡眠時間)を改善することが報告されています。中強度の運動とはどの程度かというと、息が弾むもののなんとか会話ができるというくらいのレベルです。
一方、強度が過度に高い運動は、逆に睡眠を妨げる可能性があります。ですから、年齢や体調に応じて無理のない程度に軽い運動から始めて、徐々に運動強度を上げていくと良いでしょう。

運動の量(時間)と時間帯

良い睡眠のためだけでなく、総合的な健康増進のために、1日60分程度の運動を習慣的に続けることが理想です。「60分も時間を割けない」という人がいるかもしれませんが、一度にまとめてする必要はなく、途切れ途切れの運動の足し算でも構いません。

運動のタイミングについては、就寝前ではなく日中や夕方がおすすめ。そうすれば、運動後の興奮状態が寝る直前まで続いてしまうようなことを避けられます。寝る時間が近づいてきたら、運動は控えた方がよいでしょう。

なお、睡眠は体温の中でも、脳や臓器など体の中心の機能を守るために一定に保たれている「深部体温」の変化と深く関わっています。後で詳しく述べますが、深部体温の低下は睡眠改善の重要なポイント。運動をすると深部体温がいったんは上昇して、その後、全身の血液の流れが良くなることで放熱が促進されて深部体温が下がります。運動による適度な疲労感に加えて、このような体温の変化も、運動が睡眠に関係する理由の一つです。

熟睡のための就寝環境を整える

熟睡するためには、就寝環境にも気をつける必要があります。

  • 温度・湿度
  • 寝具

という四つの観点から理想的な就寝環境をみていきましょう。

睡眠中は低い照度の光でも中途覚醒時間を増加させ、睡眠効率を下げることが報告されています。そのため、就寝の際にはなるべく暗くしたほうが良いと考えられます。
就寝時だけでなく就寝の前から照明を調節していくことも役立ちます。眠る時刻の約1時間前から、やや暗い暖色系の照明にしてみてください。また、もし可能なら、起床時刻の約30分前から照度を上げていくと、自然に目覚めやすくなります。例えば、寝る前にカーテンを少し開けておくといった工夫をしてみましょう。

そして、朝目覚めたら部屋に朝日を取り入れ、日中はできるだけ日光を浴びるように心がけることで、その日の夜の就寝時に速やかな入眠を期待できます。一方で、先ほどもお話ししたように、就寝前に照明やスマートフォンの光を浴びると、概日リズム関連ホルモン(メラトニン)の分泌が抑制されて、入眠が妨げられ、体内時計がずれてしまいます。現代社会では、夜間に照明を浴びることは避けられないものの、日中に光を多く浴びることで、夜間の照明による概日リズムへの悪影響が減少するという報告もあるので、日中はなるべく日光を浴びましょう。

うるさくて眠れなかったという経験は、どなたでもお持ちでしょう。困ったことに、騒音への対策としては耳栓をすること以外、なかなか手がありません。可能であれば、防音性能の高いサッシに変えたり、遮音カーテンを設置したりといった検討をしてみてください。なお、騒音による睡眠への影響は、“慣れ”によってある程度は弱まることが知られています。

一方、静かすぎてかえって目が冴えてしまう場合は、落ち着いた音楽を流してみると良いかもしれません。ラジオの音楽番組などでは人の会話が流れてきたタイミングで、睡眠が妨げられてしまうこともあるようなので、音楽のみとし、タイマーで自動的に切れるようにすると良いでしょう。

温度・湿度

室温は、冬場は16度くらい、夏場は26~28度くらいで、布団の中の温度は30~32度くらい、湿度は50~60%くらいが良いとされています。夏場の暑さや冬場の寒さに対してエアコンで室温や湿度を調節し、快適さが損なわれないようにしましょう。

なお、体温は日中の覚醒時に上昇し、夕方以降に低下していきます。就寝前に手足の皮膚血流が増加することで体温が外部に放散され、深部体温が低下し始めると、入眠しやすい状態となります。このような体温の変化と睡眠との関係に着目した研究から、就寝前に体をいったん温めた後に体温が下がるタイミングを利用することで、入眠潜時が短縮することが報告されています。

入眠潜時を短縮する一つの方法として、入浴が挙げられます。就寝前の入浴によって手足の血管が拡張し、入浴後の熱の放散が促進されます。また、入浴にはリラックス効果がありますから、それも睡眠をいざなってくれます。上昇した体温が低下し始めるタイミングが、寝つきやすい時間帯です。眠りにつく1~2時間前までに入浴を済ませると良いでしょう。湯船に疲労回復などの効能がある入浴剤を入れると、より気持ちよく眠りにつけるかもしれません。

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寝具

枕の高さや硬さを変えてみたり、寝具(パジャマやシーツ、掛け布団など)の質感を季節にあわせて変えたりしてみましょう。夏場は通気性が良いもの、冬場は保温性の高いものを選ぶと良いでしょう。掛け布団が重すぎたり、寝返りをしたときにずれてベッドから落ちてしまうような場合は、寝具の変更も検討してみてください。

食生活を見直す

朝食を欠かさず、1日3食を規則正しく

朝食を食べないと体内時計が徐々に遅れ、寝つきが悪くなり、結果として睡眠不足になりやすくなります。それだけでなく、朝食欠食が睡眠休養感、つまり熟睡の満足感の低下と関連することも明らかになってきました。
また朝食は体内時計のずれを修正したり、体温を高めて眠気を取り除くようにも働きます。体温が上昇することで覚醒レベルも上がり、仕事や勉強がはかどります。朝食を欠かさないだけでなく、1日3食を規則正しく食べることも重要です。

就寝直前の食事は控える

就寝前の夜食や間食は、翌朝の睡眠休養感を下げる、つまり、気持ちよく目覚められなくなることにつながります。就寝直前の食事は控えたほうが良いでしょう。

ただし、空腹感のために眠れないこともあります。そのようなときには、血糖値を急激に高めないような食品を少し口にするのがおすすめ。血糖値を急に高めるような食品、具体的には糖分の多い甘いお菓子などは、睡眠の質を低下させてしまう可能性が指摘されています。

なお、就寝前の食事や夕食の食べすぎは肥満につながりやすく、肥満は睡眠時無呼吸症候群のリスク因子の一つです。そして睡眠時無呼吸症候群は、熟睡を阻害する因子の一つです。そういう意味でも寝る前の食事はなるべく避けましょう。

また、よく知られているように、カフェインは眠りを邪魔します。摂取したカフェインの量が体内で半分になるまでには、約46時間もの時間を要するとされています。そのため、夕方以降にはコーヒー、お茶、エナジードリンクなどを摂取しないようにしましょう。また、アルコールは寝つきを良くすることがあるものの、睡眠を浅くしてしまい、夜間に目覚めやすくなるので、「熟睡したいから」といって飲酒をするのは逆効果です。その他にも、塩分と水分の摂り過ぎも、夜間の頻尿を招いて中途覚醒の原因となります。

睡眠の質改善に役立つ栄養素を摂る

睡眠と関係の深い栄養素として、ビタミンB群や、アミノ酸のトリプトファン、グリシンなどが挙げられます。

ビタミンB1は、脳の重要なエネルギー源であるブドウ糖を利用する際に必要とされる栄養素で、イライラや不安を抑えたり疲労回復を促したりするように働くとされています。豚肉、うなぎ、ゴマなどに多く含まれています。

ビタミンB6はセロトニンなどの神経伝達物質の合成に関わっている栄養素です。セロトニンは脳をリラックスさせる「睡眠ホルモン」といわれることもあって、ノンレム睡眠の中でもより深い睡眠の出現に関係していると考えられています。カツオや玄米、ゴマなどに多く含まれています。

ビタミンB12は、睡眠との関連が研究されている栄養素です。しじみやあさり、のり、レバーなどに豊富に含まれているビタミンです。

「睡眠ホルモン」といわれるセロトニンは、必須アミノ酸(体内でつくることができないため摂取が欠かせないアミノ酸)の一種のトリプトファンから合成されます。ですから、トリプトファンの不足も気をつけたいところ。トリプトファンは魚介類、鶏肉、卵、大豆、バナナなどに豊富に含まれています。

グリシンは、深部体温を下げる方向に働くことで睡眠に関与すると考えられているアミノ酸です。睡眠の質を改善することが報告されています。カジキマグロ、ホタテ、海老などに多いアミノ酸です。

栄養素は食事から摂取することが基本ですが、これらの栄養素を含むビタミン剤やサプリメントもあるので、その利用で補う方法もあります。必要に応じて活用しましょう。

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今すぐ寝たい!寝ている途中で起きてしまったときにできること

布団やベッドから出る

目覚めてしまい眠れなくなったときに、布団やベッドの中で寝ようと努力すると、余計に目が覚めてしまうことがあります。そのようなときには、いったん布団から出て、この後紹介するストレッチやツボ押しなどをしてみましょう。

静的ストレッチをする

ストレッチには、体を温めるように働く動的ストレッチと、体をリラックスさせるように働く静的ストレッチがあります。これらのうちの後者は、副交感神経を優位にして心拍数を下げ、睡眠をいざないます。静的ストレッチは、体を動かすときに反動を使わないことがポイントです。

ツボ押しをしてみる

ツボ押しにはさまざまな効果がありますが、緊張をほぐすのに役立つツボもあります。手のひら側の手首の横じわの上で、小指側にある腱の内側あたりにある「神門(しんもん)」、足の内くるぶしから親指の幅3本上のあたりにある「三陰交(さんいんこう)」などです。眠れないというときに試してみてください。

毎日熟睡するために、日頃の生活を見直そう

目覚めたときに「よく眠れた! 熟睡できた!」と感じられたら、その日を快活に過ごせそうな気になります。毎日、そんな朝を迎えたいものですね。しかし、1日くらいであれば、熟睡できていなくても問題ないケースがほとんど。気にしすぎなくとも大丈夫です。「熟睡したい」「睡眠休養感を得たい」と思ったときにはぜひ、“熟睡”習慣を意識して、気持ちの良い朝を迎える努力をしてみてください。

ただし、熟睡できない、睡眠休養感を得られないという場合に、なにかしらの病気が関係していることもあります。例えば体の病気であれば、関節の痛みや肌のかゆみといった症状を起こす病気や睡眠時無呼吸症候群など、メンタル的なことならうつ病や不安症、不眠症など。生活習慣を改めても熟睡できないという場合は、それらの病気が隠れていないか、早めに睡眠を専門としている医療機関で相談してみましょう。

【プチメモ】ライフステージごとに異なる睡眠習慣

厚生労働省が最近公表した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」のエッセンスを紹介します。このガイドでは、成人、高齢者、こどもという年齢層に分けて、下記の通り、睡眠に関する推奨事項を掲げています。なお、同省のホームページには全文が掲載されています。

<全体の方向性>
個人差を踏まえつつ、日常的に質・量ともに十分な睡眠を確保し、心身の健康を保持する。

対象者 推奨事項
高齢者
  • 長い床上時間が健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する。
  • 食生活や運動等の生活習慣や寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
  • 長い昼寝は夜間の良眠を妨げるため、日中は長時間の昼寝は避け、活動的に過ごす。
成人
  • 適正な睡眠時間には個人差があるが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する。
  • 食生活や運動等の生活習慣、寝室の睡眠環境等を見直して、睡眠休養感を高める。
  • 睡眠の不調・睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣等の改善を図ることが重要であるが、病気が潜んでいる可能性にも留意する。
こども
  • 小学生は9~12時間、中学・高校生は8~10時間を目標に睡眠時間を確保する。
  • 朝は太陽の光を浴びて、朝食をしっかり取り、日中は運動をして、夜更かしの習慣化を避ける。

※生活習慣や環境要因等の影響により、身体の状況等の個人差が大きいことから、「高齢者」「成人」「こども」についての年齢を区切ることは適当ではなく、個人の状況に応じて取組を行うことが重要であると考えられる。

〔厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」より作成〕

参考文献