監修
関 洋介 先生 (四谷メディカルキューブ 消化器外科 減量・糖尿病外科センター 副センター長 臨床研究管理部 部長 一般社団法人GERD・LPRD診療ネットワーク(Japan Society for GERD・LPRD Network)理事長)
健康な状態でも、ときどき胃液や胃の内容物がのどや口の中まで上がってくることがあります。通常、胃液や食べたものなどが逆流してこないように体の仕組みが働いていますが、なぜ胃液が上がってくるのでしょうか。
まずは胃の内容物の逆流を防ぐ仕組みについて確認し、胃液が上がってくる原因をみていきましょう。
食道は約25cmの管状の臓器で、通常は平たく閉じています。食べものを飲み込むと、食道のぜん動運動(内容物を先へ先へと送るための筋肉の収縮と弛緩)が起こります。また、食道と胃のつなぎ目は下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉があり、普段はギュッと閉じていて、食べものが胃に入るときにだけ広がります。この仕組みによって、たとえ逆立ちをしていても、一度胃に入ったものが食道に逆流することは基本的にありません。
以下のような、さまざまな原因のために、胃の内容物が食道に上がってくることがあります。
これらの要因が組み合わさることで逆流が発生します。
胃液が一時的に上がってくるのであれば、健康に大きな影響はありませんが、繰り返し起こると、胃酸が食道の粘膜を刺激し、炎症や不快な症状を引き起こします。この状態は「胃食道逆流症(GERD)」と呼ばれ、治療が必要です。
胃食道逆流症が命にかかわるということはまれですが、さまざまな症状により、食事や睡眠時などあらゆるシーンにおける生活の質(QOL)が著しく低下してしまいやすい疾患(病気)です。
この病気は年々増加傾向にあり、日本人の平均17.7%(7.7%~24.1%)が該当するというデータもあります。
胃液が上がってくる原因の一つとして、胃食道逆流症が考えられます。胃酸や食べものが食道に逆流することで、食道の炎症や胸の痛みなどが生じてしまうこの疾患について、詳しく解説していきます。
胃食道逆流症は、検査によって食道の炎症がみられる「逆流性食道炎」と、炎症がみられない「非びらん性胃食道逆流症(NERD)」に大別できます。
さらに、逆流性食道炎は、炎症の範囲などにより、比較的軽症と、より重症なタイプに分けられ、重症なタイプでは、まれではあるものの緊急治療が必要な合併症が起こることがあります。
非びらん性胃食道逆流症の「びらん」とは、皮膚や粘膜の一部が欠けている状態のことです。びらんがより悪化した状態は「潰瘍(かいよう)」となります。この疾患は、内視鏡検査で食道粘膜の炎症が見つからないにもかかわらず、逆流による症状があらわれているときに診断されます。胃食道逆流症の患者さんの約半数が、非びらん性胃食道逆流症に該当すると考えられています。
それぞれの特徴をまとめたのが以下の表です。
▼胃食道逆流症(GERD)の分類
病名 | 非びらん性胃食道逆流症 (NERD) |
逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症) | ||
比較的軽症の場合 | より重症の場合 | |||
症状 | 食道の症状 | 胸やけ、呑酸(どんさん)※1、つかえ感、胸痛など | ||
食道以外の症状 | のどの違和感、せき、声がかすれる、胃もたれなど | |||
食道の粘膜の炎症 | ない | 部分的 | 範囲が広い | |
合併症 | 徐々に悪化する合併症 | バレット食道※2から食道がんが発生する可能性。 また、虫歯、喘息、誤嚥性肺炎なども |
||
急速に悪化する合併症 | ほとんど起こらない | まれに出血や穿孔(せんこう)が起こる | ||
患者数 | GERDの約半数 | 逆流性食道炎の大半 (95%ほど) |
逆流性食道炎の一部 (5%) |
|
起こりやすい人 | 女性、若い人、やせている人 | 男性、中高年、太っている人 | ||
治療法 | 生活習慣の改善、PPI※3などによる薬物療法、場合によって手術治療 |
※1:呑酸とは、すっぱいもの(胃液)が上がってくる症状
※2:バレット食道とは、食道の粘膜の組織が胃の粘膜の組織に置き換わった状態
※3:PPIとは、胃酸分泌を抑制する薬の一種であるプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor)の略
症状の種類とびらんの度合い・重症度は相関しないため、気になる症状が続く場合は消化器内科を受診しましょう。
胃食道逆流症の症状は、「胃酸」や、たんぱく質を分解・消化する「ペプシン」という酵素を含んだ「胃液」が食道に逆流し、長時間とどまることが直接的な原因です。
逆流が起こりやすくなる理由としては、主に以下のようなことが挙げられます。なお、これらの理由が単独であてはまる場合もあれば、複数が複雑に絡み合って起こる場合もあります。自己判断が難しいため、セルフケアで症状が改善しない場合や気になる症状があれば、医療機関を受診しましょう。
胃酸は、食べたものに含まれている細菌を殺菌したり、「ペプシン」を活性化するように働きます。強酸性の液体で、直接触れると触れた組織にダメージが生じてしまうため、胃の粘膜は胃酸やペプシンの他に、保護のための粘液も分泌してダメージを防いでいますが、食道の粘膜にはそのような保護の仕組みがありません。よって胃酸が食道に逆流してくると、たとえそれが短時間でもダメージを受けやすくなっています。
なお、胃酸の分泌を増やす要因には、食べ過ぎや飲み過ぎ、カフェインや香辛料などの刺激の強いもの、脂っこいものの飲食といった食習慣に関連することの他に、喫煙、睡眠不足、ピロリ菌の除菌治療後などが挙げられます。
「腹圧が高い」とは、お腹の内側から外側に向かう力が強すぎる状態で、高い腹圧は、胃の内容物の逆流を引き起こします。
腹圧が高くなる原因には、肥満、姿勢の悪さ(猫背)、お腹を締め付けるような衣服の着用、便秘などがあります。
食道のぜん動運動は、胃から食道への逆流を防ぐ役割も果たしています。何らかの理由で食道のぜん動運動が低下していると、胃の内容物の逆流が起こりやすくなります。この運動が低下する原因として、加齢や自律神経のバランスの乱れなどの影響が考えられています。
下部食道括約筋がゆるんでいると、食道と胃のつなぎ目がしっかり閉じず、胃の内容物が食道へと逆流しやすくなります。
ご高齢の方では、この下部食道括約筋のゆるみが起こりやすいことが知られています。
横隔膜の下にあるべき胃の一部が、横隔膜の上にはみ出している状態を「食道裂孔(しょくどうれっこう)ヘルニア」といいます(ヘルニアとは内臓や組織が本来の位置からずれている状態のこと)。
この状態では、食道の逆流防止機能(ぜん動運動や下部食道括約筋の働き)が低下し、胃食道逆流症が起こりやすく、とくに重症の逆流性食道炎になりやすい傾向があります。
なお、食道裂孔ヘルニアは加齢とともに起こりやすくなりますが、生まれつき起こりやすい人もいます。
これまで胃食道逆流症の原因として「胃酸が逆流しやすくなる理由」を挙げてきましたが、別の原因として、食道粘膜が胃酸のダメージを受けやすい状態になっていることも挙げられます。つまり、胃酸の逆流はわずかでも、食道粘膜が敏感なために症状が生じてしまうということです。とくに、非びらん性胃食道逆流症は、このメカニズムの影響が強いと考えられています。
食道粘膜が過敏になる原因についてはまだ不明点が多く、現在のところ、ストレスの関与などが想定されています。
ここまで、胃食道逆流症を中心にお話ししてきましたが、逆流症状に似た症状は他の疾患でもあらわれることがあります。ここで、その点の注意について触れておきます。
なお、食べ過ぎなど、原因をご自身でも推測できる場合を除いて、疾患の可能性については自己判断は難しいため、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。何らかの持病のために、既にかかりつけ医にかかっている場合は、その主治医に相談しましょう。
食べ過ぎや飲み過ぎに加え、お酒やタバコ、脂っこいものや刺激の強いものを食べた後などには、一時的に胃の内容物の逆流が起こりやすくなることがあります。
また、妊娠中はつわりや腹圧の上昇により、逆流が起こりやすいことも知られています。
機能性ディスペプシア(FD):
検査で異常が見つからないにもかかわらず、胃の不快な症状が続く疾患です。具体的な症状には、胃痛、胃もたれ、吐き気などがあり、胃食道逆流症に似た症状があらわれることもあります。
好酸球性食道炎:
食道に起こるアレルギーの疾患です。胸やけや食べものがつかえる感じ、胸痛などがあらわれます。
その他:
糖尿病の合併症の神経障害がある人、疾患のために胃を切除した人などは、胃酸の逆流が起こりやすいです。
胃食道逆流症の典型的な症状の一つは、胸やけです。みぞおちのあたりがジリジリ、ヒリヒリしたり、しみるように感じたりします。「胸が熱くなる感じ」「針で刺されるような感じ」と表現する方もいます。
関連する情報
症状・疾患 胸やけ
呑酸は、酸っぱい液体が上がってくるように感じるもので、胃酸がのど元まで逆流したときの症状です。「口の中が苦くなる」「熱い“たん”がのどに絡まった感じがする」などと表現する方もいます。呑酸も胸やけと同様、胃食道逆流症の主な症状です。
胸やけや呑酸が、胃食道逆流症の「定型的症状」といわれるほどよくある症状なのに対し、典型的ではない「非定型的症状」として、のどの違和感やつかえなどが挙げられます。具体的には、のどのイガイガ感、のどに何かが張り付いている感じ、食べもの・飲みものを飲み込みにくい、といった症状です。つかえ感は「気になる程度」という軽症から「食べものが通らない」と訴えるほど重症の場合もあります。
非定型症状ですが、胸や背中の痛みを訴える人もいます。「締め付けられるような感じ」と表現され、心臓疾患を心配して受診した結果、胃食道逆流症が見つかることがあります。
上記の他に、慢性的な乾いたせき、睡眠障害、歯の酸蝕症(さんしょくしょう:胃酸などによって歯の表面が溶け出してしまう疾患)なども、胃食道逆流症によってあらわれることがあります。
食道に起きる合併症:
食道の粘膜の炎症が長い間続くと、粘膜が胃の粘膜と同じ性質に変化してしまうことがあり、この状態を、「バレット食道」といいます。バレット食道そのものは無症状ですが、食道がんのリスクがやや高くなる可能性が示唆されています。
食道以外に起きる合併症:
胃酸による歯の浸食によって虫歯が増えることが知られています。その他、胃の内容物が気道(空気の通り道)に入り込んで、誤嚥(ごえん:食べものなどが誤って喉頭と気管に入ってしまう状態)や肺炎を起こしたりします。また、喘息のリスクとも関係のあることが報告1)されています。
重症タイプの逆流性食道炎では、炎症によって食道粘膜が出血したり、まれにびらんが潰瘍に進行し、穿孔(せんこう:穴が開くこと)を起こして、緊急治療が必要になったりすることがあります。
1) A J Ing, et al. Pathogenesis of chronic persistent cough associated with gastroesophageal reflux. Am J Respir Crit Care Med. 1994 Jan;149(1):160-7.
胃液が上がってきやすいタイミングは、食後と就寝中です。
食後については、消化のために胃液が多く分泌されることと、食道と胃の境目の下部食道括約筋がゆるみやすくなることが、胃液の逆流の起きやすさに関係しています。
一方、就寝中は、立ったり座っている姿勢に比べて重力の影響を受けにくく、横になることで食道と胃の位置関係が水平になり、逆流が起こりやすくなります。とくに、食後すぐの場合は、胃の内容物が多く内圧が高いことや胃液の分泌が盛んなことから、逆流がさらに促進されます。また、昼間であれば唾液の分泌で食道が洗浄されますが、就寝中は唾液の分泌が低下するために、逆流した胃酸が食道内にとどまりやすく、影響がより強く生じやすいという側面もあります。
最後に、胃液が上がってきたときの予防方法や対策についてお話しします。
胃の内圧が高まり、結果として逆流が起こりやすくなります。「腹八分目」を心がけましょう。
脂っこい食事は、消化に時間がかかり、胃に長時間滞留しやすくなるため、逆流が起きる機会が多くなりがちです。
アルコールは、食道のぜん動運動や下部食道括約筋の働きを低下させ、逆流を引き起こしやすくします。禁酒、難しければできるだけ節酒(お酒を適度に飲むこと)を心がけましょう。
甘いもの、辛いもの、刺激の強いものも、胃液の分泌を増やしたり、粘膜を過敏にしたりするために、逆流症状を起こしやすくするといわれています。
胃での消化速度は、生ものや煮たり茹でたりしたものは速く、反対に、焼いたり揚げたりしたものは遅い傾向があります。消化が遅いほど逆流しやすくなるので、胃食道逆流症の症状を抑えたい場合には、なるべく生ものや煮もの、茹でものが良いと考えられます。
「胃液が上がってきやすいタイミングはいつ?」の項で解説したように、食べた後にすぐ横になると逆流が起こりやすいので、遅い時間帯の夕食はできるだけ避けるようにしましょう。
きつい服や帯、ベルトでお腹を締め付けると、内臓が圧迫され腹圧も上昇し、胃の内容物が逆流しやすくなります。
前かがみ(猫背)も腹圧を高める原因となるため、普段から姿勢を意識して、背筋を伸ばすようにしましょう。また、食後はなるべく前かがみになる作業を避けるように工夫できると良いでしょう。
お腹に余分な脂肪がある(肥満)と、腹圧が高くなり逆流症状が悪化します。減量によって、胃食道逆流症の症状の改善の他にも、いろいろな健康上のメリットを期待できます。
便秘の影響で胃が圧迫されて、胃食道逆流症が起きやすくなる可能性が指摘されています。実際に、慢性便秘の患者さんには胃食道逆流症が多いことが知られています。
横になると胃の内容物が食道に移動しやすくなるため、食後はなるべく横にならないほうが良いのですが、多忙な生活を送っていると、そうせざるを得ないときもあるでしょう。
そのような場合、なるべく頭を高くしたり、左側を下にして横向きの姿勢で寝ると良いとされています。
医療機関を受診して胃食道逆流症と診断された場合、一般的にはプロトンポンプ阻害薬という薬が処方されます。この薬は、胃粘膜にあって胃酸分泌にかかわる「プロトンポンプ」という仕組みの働きを抑制することで、胃酸分泌を抑える薬です。英語の綴りのproton pump inhibitorを略して「PPI」と呼ばれることも多いです。
その他には、同じく胃酸分泌を抑えるH2ブロッカーという薬や、プロトンポンプ阻害薬に代わるカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)、消化管のぜん動運動を高める薬などが処方されることもあります。なお、これらの薬の一部は、スイッチOTC(処方薬から切り替えられた市販薬。OTCとは市販薬のこと)化されていて、処方箋がなくても薬局で購入可能です。
胃液が上がってきて、胸やけなどの不快な症状が生じてしまったときの緊急対策として、水を飲んで食道の内壁を洗い流してしまうという方法が有効です。胃酸を中和する働きのある牛乳も、有効と考えられます。
また、ガムを噛むと唾液の量が増えて、食道を洗い流す作用を期待できます。焼き肉店で会計のときにガムを渡されることがありますが、これは理にかなっているといえます。
喫煙は、下部食道括約筋をゆるめ、逆流を起こしやすくするとされています。実際に禁煙によって、胃食道逆流症の症状が改善することが報告2)され、その他、健康上の幅広いメリットを期待できます。
胃食道逆流症の人には睡眠時無呼吸症候群※が多いこともわかっています。その理由の一つは、両者ともに肥満の方に多いことで説明できます。また、睡眠時無呼吸症候群で息が停止している時間帯に腹圧が上昇することが、逆流を起こりやすくするというメカニズムも想定されています。
※睡眠時無呼吸症候群…睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気
この他にも、逆流症状のために睡眠が邪魔されて睡眠不足になるという関係も考えられます。さらに、睡眠不足によって体にあらわれる負担の一つとして、食道の粘膜が過敏になるために食道の不快な症状が起きやすくなるという、相互に悪影響を及ぼし合うことを示唆する研究結果3)もあります。
2) Eivind Ness-Jensen, et al. Lifestyle Intervention in Gastroesophageal Reflux Disease. Clin Gastroenterol Hepatol. 2016 Feb;14(2):175-82
3) Iijima K, et al. A Chronological Increase in Gastric Acid Secretion from 1995 to 2014 in Young Japanese Healthy Volunteers under the Age of 40 Years Old. Tohoku J Exp Med 2016; 239: 237–241.
「胃液が上がってくる」という症状は、「胃食道逆流症」などによって引き起こされます。胃酸が不快な症状の主要原因で、この場合、胃酸の分泌を抑えることが改善につながります。
今回は胃液の逆流を防ぐための生活習慣改善策についてもお話ししてきましたが、生活習慣の改善は、疾患の「予防」には効果的なものの「治療」としての効果は限定的です。症状が自然に治まることは少ないため、まず放置しないことが重要となります。
胃食道逆流症の治療の鍵となるプロトンポンプ阻害薬(PPI)は、これまでは処方箋が必要な薬でしたが、最近、ドラッグストアでも購入できるようになり、利便性の高まりが期待されています。困ったときに活用できる手段が増えることで、不快な症状を我慢せず過ごしやすくなるのはうれしいものです。
ただし、PPIを服用しても改善が不十分な場合や、服用を中止すると症状をぶりかえしてしまうようなときは、医療機関を受診して、正確な診断とより適した治療を受けることが大切です。
検査方法
胃食道逆流症を示唆する胸やけなどの症状で医療機関を受診すると、通常はまず問診によって症状を詳しく調べられます。その結果、胃食道逆流症以外の疾患が否定できない場合には、内視鏡検査などを行うことになります。
一方、胃食道逆流症の可能性が高く、他の疾患の懸念は低い場合は、内視鏡検査を行わずに、PPIによる治療を開始します。この治療で症状が改善すれば、胃食道逆流症と診断する「診断的治療」という手法がとられることもあります。ただし、この手法で診断後に経過が長引くときには、改めて詳しい検査が必要とされます。
お薬以外の治療
お薬の効果が十分でなく、より高い治療効果を期待される場合や、とくに食道裂孔ヘルニアがあり重症の胃食道逆流症となっている場合に、手術が検討されます。この手術では、食道と胃のつなぎ目部分を少し狭くするように整えることで、逆流を起こりにくくします。
参考文献