監修
久手堅 司 先生 (せたがや内科・神経内科クリニック 院長)
「なんとなく体調が優れない」「原因がわからず不調が続く」といった状態は、「不定愁訴」と呼ばれる場合があります。ここでは、不定愁訴について説明します。
「不定愁訴」とは、明確な原因が特定できないものの、なんとなく体調が優れないと感じる状態を指します。頭痛やだるさ、めまい、食欲不振、不眠などの症状があるにもかかわらず、医療機関で検査を受けても明確な病気や異常が見つからないことがあります。
不定愁訴が現れる病態として、「自律神経失調症」も考えられます。自律神経失調症の背景には、自律神経の機能低下やホルモンバランスの乱れ、生活習慣の変化、ストレスなどが複雑に関係していると考えられています。
特に女性は、女性ホルモンの影響を受けやすいことが知られています。女性ホルモンの乱れが主な要因となるPMS(月経前症候群)や更年期障害に加え、体力や筋量の違いなども影響していて、男性よりも女性のほうが不定愁訴を訴える割合が高いという調査結果もあります。
不定愁訴の症状には、以下のようなものが挙げられます。

体が重だるく感じたり、何もする気になれなかったり、力が入らないといった状態は、だるさや疲れやすさのサインかもしれません。こうした不調の背景には、仕事や運動などで体を使いすぎたことによる疲れの蓄積をはじめ、睡眠不足や不規則な生活、ストレス、栄養不足など、さまざまな要因が影響している可能性があります。
なかでも食生活の乱れは、エネルギー源やエネルギーを産生するために必要な栄養素が十分に摂取できない原因となり、疲労が回復しにくい状態につながることがあります。
食生活が乱れがちなときは、エネルギー源となる炭水化物などの三大栄養素のバランスを意識した食事の他、エネルギーを産生するために必要なビタミンB群を補給できる指定医薬部外品の栄養ドリンクなどを併用してみるのも一つの方法です。
体調が優れないと感じる背景には、肩こりや首こり、腰痛が関わっていることもあります。こうした症状は、首や背中が緊張する姿勢での作業が多い方や、日常的に姿勢が崩れやすい方、運動不足の方、ストレスを感じやすい方、長時間同じ姿勢をとり続けることが多い方などに起こりやすいとされています。
血行不良や筋肉の緊張が続くことで、肩こりや首こり、腰痛といった不調が現れやすくなります。また、血液の循環にはビタミンEが深く関わっているため、ビタミンEが不足すると血行が悪くなり、筋肉に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなって、筋肉のこりや張りが起こりやすくなります。
肩こりや首こり、腰痛が気になる方は、ビタミンEも配合されているビタミン剤などを活用するのも良いでしょう。
目の疲れは、スマートフォンやパソコンを長時間使用することで起こりやすくなります。視界がぼやける、目が充血する、まぶしく感じる、涙が出るなどといった症状が現れる他、肩こりや疲労感、頭痛、めまい、吐き気など、体の不調をともなうこともあります。
こうした目の疲れが気になるときは、目の健康をサポートするビタミン類などの栄養素を配合した内服薬を活用するのも一つの方法です。
特にビタミンB群は目の疲れの緩和に効果が期待できる栄養素です。ビタミンB1は目の筋肉の疲れの軽減や目の機能維持に、ビタミンB2は目の粘膜の健康維持に、ビタミンB6・B12は神経の機能維持に関わっています。他にも、結膜や角膜の正常な働きを補助するビタミンAや、水晶体に多く含まれるビタミンCの摂取も意識してみると良いでしょう。
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眼精疲労・疲れ目

冷えは、血行不良や自律神経機能の低下、筋肉量の少なさなどが関係して生じるとされています。手足が冷たいと感じるだけでなく、イライラや不眠、肩こり・腰痛などの不調につながることもあります。
こうした冷えが気になるときは、冷えの改善が期待できる栄養素を含むビタミン剤などを取り入れてみるのも一つの方法です。熱エネルギーの産生には、エネルギー源となる糖質・脂質・たんぱく質が必要ですが、そのエネルギー代謝にはビタミンが欠かせません。エネルギー代謝をサポートするビタミンB1・B2・B6や、末梢の血行に関わるビタミンE、赤血球の生成に関わるビタミンB12や葉酸が配合されたものを選ぶと良いでしょう。
また、特に女性の場合で、冷えに加えて疲れやすさやむくみ、生理痛などの症状を感じている場合には、気・血・水のめぐりを整える働きがある漢方薬や冷え症に用いられてきた漢方処方の構成生薬を配合した生薬製剤などを活用するのもおすすめです。
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・冷え症
ウイルスや細菌といった病原体に感染すると、くしゃみや鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳などの呼吸器症状の他、発熱や頭痛、倦怠感などの症状が現れることがあります。
こうした症状が出た場合は、市販薬を活用するのも一つの方法です。例えば、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどを配合した解熱鎮痛薬を取り入れることで、熱によるだるさや体の痛みの軽減が期待できます。各症状に対応する風邪薬もあるため、自分の症状に合ったものを選ぶと良いでしょう。
ただし、薬はあくまで一時的に症状を和らげるためのものです。症状がなかなか改善しない場合は、無理をせず医療機関を受診するようにしましょう。

理由もなくイライラしたり、寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりすることも、不定愁訴の一つの症状です。こうした不調は、ストレスなどによって自律神経のバランスが乱れることで生じることが多いとされています。
特に不眠に悩んでいる方は、睡眠の質の改善をサポートする市販薬や機能性表示食品などを取り入れてみるのもおすすめです。
届出表示:本品にはユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)を含みます。ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)には、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善し、起床時の疲労感を軽減する機能、作業時の一時的なストレス(イライラ感、緊張感)を緩和する機能が報告されています。
・本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
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・不眠
胃の不調や食欲不振も、不定愁訴の一つとして現れることがあります。こうした症状は、加齢や暴飲暴食の他、ストレスなどによって胃腸の働きが低下することが原因となって起こるとされています。
胃の不快感や食欲の低下が気になるときは、胃酸が原因になっている可能性もあります。そのようなときは、胃酸分泌を抑制する薬を活用するのも一つの方法です。胃酸分泌を抑える薬には、プロトンポンプ阻害薬(プロトンポンプインヒビター:PPI)などがあります。これらの中には、医療用医薬品から一般用医薬品(OTC医薬品※1)へとスイッチ(転用)され、市販されているものもあります。
他にも、食欲不振時に栄養を補給できるドリンクなどを取り入れたりするのも良いでしょう。
※1 OTC医薬品:薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品のこと。
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・胃もたれ
・食欲不振(食欲がない)
便秘や下痢、軟便といった便通の乱れも、不定愁訴の一つとして現れることがあります。腸の運動は自律神経(交感神経・副交感神経)で調節されています。ストレスや生活リズムの乱れによって自律神経のバランスが崩れると、便秘だけでなく、下痢や軟便といった症状として現れることもあります。このような症状は、脳と腸が相互に影響し合う「脳腸相関(のうちょうそうかん)」の一つとして知られています。
こうした便通のトラブルが続くと、心身の健康や日常生活の質を低下させるだけでなく、労働生産性の低下につながることも報告されています。
便秘や軟便などの症状に悩んでいる場合は、腸内フローラを改善する整腸剤を取り入れることで、改善が期待できることもあります。乳酸菌やビフィズス菌の他、酪酸菌配合の整腸剤などもあります。酪酸菌が産生する酪酸は、大腸のバリア機能に必要な粘液の分泌を促し、便秘に効果を発揮します。
頭痛の原因はさまざまで、副鼻腔炎や緑内障といった病気の他、筋肉の緊張や血行不良による肩や首のこりから起こる緊張型頭痛、女性に多いとされる片頭痛などが挙げられます。なかでも緊張型頭痛は、ストレスなどの精神的な要因に加え、生活習慣や天気といった環境要因が影響して起こることもあります。
めまいの原因にもさまざまなものがあり、貧血やホルモンバランスの乱れの他、脳梗塞などの疾患が隠れている場合があります。症状はグルグルと目が回るようなものから立ちくらみのようなものまで、原因によって異なることがあります。
頭痛やめまいが気になる場合は、自分の症状に合った市販薬を服用し、症状をコントロールするのも一つの方法です。市販薬を服用しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
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・頭痛(片頭痛)
・頭痛(緊張型頭痛)
・頭痛(群発頭痛)
・頭痛(他疾患が原因である頭痛)
・めまい
体調が優れないと感じるときは、医療機関を受診しても特定の原因がはっきりしないことが少なくありません。しかし、その背景にはさまざまな要素が複合的に関わっている可能性があります。ここでは、体調不良の背景として考えられる主な原因を紹介します。

忙しい生活のなかで食事を取る時間を十分に確保できなかったり、食事内容が偏ったりすると、1日に必要なエネルギー量を満たせなくなることがあります。
さらに、糖質・脂質・たんぱく質を効率良くエネルギーに変換するために必要なビタミンやミネラル、体の機能を正常に保つ栄養素も不足しやすくなります。特に、エネルギーの産生をサポートするビタミンB1は欠かせません。これらの栄養素が不足した結果、疲れやすさやだるさ、集中力の低下といった不定愁訴が現れることがあります。
睡眠には、心身の疲労を回復させる重要な役割があります。睡眠不足が慢性化すると疲労が十分に回復しにくくなり、ホルモン分泌や自律神経の働きにも影響を及ぼすことがわかっています。その結果、体調の変化を感じやすくなることがあります。
また、疲労の回復には「睡眠時間」だけでなく「睡眠の質」も重要です。寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続くと、十分に休めず、不調につながりやすくなってしまいます。
貧血は、特に女性に多く見られる不定愁訴の原因の一つです。鉄は、血液中で酸素を運ぶ「ヘモグロビン」をつくるために欠かせない栄養素です。鉄が不足して鉄欠乏性貧血になると、ヘモグロビン量が低下し、血液が全身の組織や脳へ十分な酸素を運びにくくなります。
その結果、体や脳の細胞が必要とする酸素が不足しやすくなり、疲れやすさ、だるさ、頭痛、めまい、息切れ、動悸などの症状が現れることがあります。これらは、貧血により体の働き全体が低下することで起こる、代表的なサインとされています。
妊娠初期は、ホルモンバランスの急激な変化により、心身にさまざまな変化が現れやすい時期です。とくに、妊娠を維持するために分泌量が増えるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やエストロゲン、プロゲステロンなどのホルモンは、吐き気や胃のむかつき、気分の変動などに関与すると考えられています。
その影響により、妊娠初期には、臭いに敏感になったり、吐き気や嘔吐、気分が優れないといった不調が重なって現れることがあります。これらの症状は検査では明確な異常が見つからないことも多く、いわゆる「不定愁訴」として感じられる場合も少なくありません。
女性ホルモンの分泌量は、思春期、妊娠・出産、月経周期、更年期など、年齢やライフステージによって大きく変化します。こうした変化にともなってホルモンバランスが乱れると、自律神経にも影響を及ぼし、さまざまな心身の不調が現れやすくなります。例えば、月経が始まる前に起こる心身の不調はPMS(月経前症候群)と呼ばれ、ホルモンバランスの変化が大きく関わっていると考えられています。
また、更年期(閉経の前後5年となる40代半ば~50代半ば)に差し掛かると、女性ホルモンの分泌が急激に低下し、自律神経のバランスが乱れやすくなります。その影響で、体温調節や血管運動のコントロールが不安定になり、めまい、動悸、頭痛、肩こり、ほてり、発汗などの症状が現れることがあります。さらに、気分の落ち込みや不安感、イライラ、情緒不安定といった精神的な症状が加わることもあり、これらが不定愁訴として感じられるケースも少なくありません。
就職や結婚、進学などの生活環境の変化は、知らず知らずのうちに心身へのストレスとなり、自律神経のバランスの乱れにつながりやすいことが知られています。
また、季節の変わり目には気温や気圧が急激に変化することで、体温調節などを担う自律神経に負担がかかりやすくなります。こうした変化に体がうまく適応できないと、いわゆる「寒暖差疲労」とよばれる状態が生じることも。自律神経のバランスが崩れると、体のだるさや便秘、頭痛、めまい、気分の落ち込みなど、さまざまな不調が現れることもあります。
また、季節の変わり目は日ごとの寒暖差が大きくなりやすくなります。体の冷えや、環境の変化によるストレスが重なると、免疫機能の低下などにつながり、風邪をひきやすくなるなど、体調を崩す原因にもなります。
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心と体は密接に関係しており、心の状態は自律神経の働きに影響を与えるとされています。自律神経とは、循環器・消化器・呼吸器などの働きをコントロールしている神経で、「交感神経」と「副交感神経」の2つから成り立っています。
交感神経は活動しているときに優位になり、心拍数や血圧を上げて筋肉への血液の供給量を増やす働きがあります。一方、副交感神経は食事中や睡眠中などの休息時に優位になり、心拍数や血圧を下げる働きを担っています。この2つの神経は、状況に応じてスイッチのように切り替わりながらバランスを保っています。

不安や緊張、強いストレスを感じると、自律神経が乱れやすくなります。自律神経のバランスが崩れると、ホルモン分泌にも影響が及び、体温調節や代謝、脳や筋肉の働きに支障をきたすことがあります。その結果、動悸や息苦しさ、めまい、睡眠の質の低下や不眠、慢性的な疲労感、気力や活力の低下などの体調不良につながることもあります。

体調が優れないと感じるときには、何らかの病気が関係している場合もあります。気になる症状が長く続いたり、日常生活に支障が出たりする場合には、早めに医師の診察を受けることが大切です。ここでは、医師の診断が必要となる可能性のある主な疾患について紹介します。
強いだるさや動悸、胸の痛み、息切れ、不整脈などは、心疾患の症状として現れる場合があります。ただし、症状がはっきりと出ないことも多いため、これまでになかった症状が急に現れたときは、早めに医療機関の受診を検討しましょう。
また、頭痛やめまい、手足のしびれなどは、脳疾患の前段階の症状として見られることがあります。手足や顔面の麻痺、しびれ、言葉がうまく出ないといった症状がある場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
ホルモンや代謝の異常が、不調の原因となっているケースもあります。例えば、甲状腺機能亢進症では動悸や息切れ、神経過敏や不安などの症状が見られることがあります。
一方、冷えや便秘、無気力、倦怠感といった症状は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する甲状腺機能低下症でみられることがあります。甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節しているため、その働きが弱まると、寒がり、疲れやすさ、便秘、動作の鈍さなどが現れることが知られています。
また、糖尿病では疲れやすさを感じることがあり、肝疾患では倦怠感や食欲不振といった症状が見られることがあるため、注意が必要です。
気分が優れない状態が長く続く場合には、心の病気が関係している可能性もあります。不眠、食欲不振、頭痛、めまい、倦怠感などの症状が続き、長期間改善しない場合は、精神科や心療内科の受診を検討しましょう。
ここでは、体調が優れないとき、心身の負担を和らげ、不調の改善が期待できる、基本的な対処法を紹介します。

健康を維持するうえで欠かせない栄養素には、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルがあり、これらを合わせて「五大栄養素」と呼びます。炭水化物(糖質)と脂質は体を動かすためのエネルギー源となり、たんぱく質と脂質は体をつくる材料になります。ビタミンは糖質や脂質、たんぱく質の代謝に関わり、エネルギーを生み出すために欠かせない栄養素です。また、ミネラルは体の構成成分として使われるとともに、体のさまざまな機能を調整する働きを担っています。主食・主菜・副菜を基本に、これら五大栄養素を過不足なく摂取することが大切です。
体調が優れないと感じるときには、疲労回復のサポートや神経の機能を正常に保つ働きのあるビタミンB群、血行の促進に関わるビタミンEを意識して摂ることも心がけたいところです。
ビタミンB群のうちビタミンB1は、糖質の代謝を助けてエネルギーの産生をスムーズにし、疲労回復を促進する働きがあります。豚肉や大豆などの食品に多く含まれていますが、ビタミンB1は食品から摂取しても体内に吸収されにくい性質があります。そのため、吸収性を高めたビタミンB1誘導体である「フルスルチアミン」を活用する方法もあります。
また、ビタミンB6やビタミンB12には神経の機能を正常に保つ働きがあり、首や肩のこりの改善に役立つとされています。ビタミンB6は野菜類や魚介類に、ビタミンB12はレバーや卵、チーズなどに含まれています。さらに、ビタミンEは血行を促進する働きがあり、筋肉の緊張をやわらげることが期待されます。ビタミンEは植物油やアーモンドなどに多く含まれています。こうした栄養素は日々の食事から積極的に取り入れるとともに、必要に応じてビタミン剤などを活用するのも良いでしょう。
また、鉄分の不足は貧血を招き、体調が優れないと感じることがあります。赤身の肉やレバー、卵、魚などの動物性たんぱく質に加え、緑黄色野菜や大豆製品などを積極的に取り入れることを心がけましょう。さらに、鉄分の吸収を助けるビタミンCをあわせて摂取することも意識すると良いでしょう。
これらの栄養素は食事からの摂取を基本としつつ、必要に応じて鉄分を含むビタミン剤を活用するのも一つの方法です。
慢性的な疲労を感じるなどの体調が優れない状態が続くと、運動する気力や時間が持てず、運動不足に陥りやすくなります。運動量が少ない状態が続くと、血流が滞りやすくなり、疲労感を強めてしまうという悪循環につながる可能性も。また、運動不足は筋力や筋肉量の低下(サルコペニア)を招きやすく、筋肉による熱産生などが十分に行われなくなることで、冷えを引き起こす一因になると考えられています。
特に高齢者の場合は、身体活動量の低下が続くことで、疲れやすさや気力の低下をともなう虚弱状態である「フレイル」のリスクが高まる可能性もあります。
厚生労働省が発行する「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人(18歳以上)は日常生活の中で歩行などの中強度の身体活動を1日60分程度行い、あわせて週2~3回の筋力トレーニングを取り入れることが推奨されています。また、高齢者(65歳以上)の場合は、歩行などの中強度の身体活動を1日40分程度行い、筋力トレーニングも週2~3回取り入れることが望ましいとされています。
さらに、習慣的な運動は睡眠の質向上につながることが知られています。日中に体を動かして適度に疲れておくことで、夜に眠りにつきやすくなるとする研究結果もあります。
体調に合わせて無理のない範囲で運動を取り入れていきましょう。
<研究結果について詳しくはこちら(アリナミン製薬のニュースリリース)>
筋トレで睡眠の質が向上 「疲れと睡眠の関係、および抗疲労成分の効果」に関する共同研究
良い睡眠は健康を維持するうえで欠かせないものです。十分な睡眠時間を確保することに加え、睡眠の質が保たれていることも重要です。適切な睡眠の目安としては、朝目覚めたときにしっかり休めたと感じる「休養感」があるかどうかが一つのポイントになります。必要な睡眠時間には個人差がありますが、休養感のある睡眠を取るためには、最低でも6~8時間程度の睡眠時間を確保することが大切とされています。
また、質の高い睡眠は、睡眠を促すホルモンの分泌など、体のさまざまな生理機能と深く関わっています。具体的には、自然な眠りを促す「メラトニン」というホルモンが欠かせません。メラトニンの生成には、「セロトニン」という主に精神を安定させる働きを持つ神経伝達物質が深く関与しています。セロトニンは、日中に太陽光を浴びることで分泌が活発になります。こうした働きのタイミングを調整しているのが体内時計です。人の体内時計は1日の周期が24時間よりやや長いため、毎日調整しないと睡眠のリズムが少しずつ後ろへずれてしまいます。
メラトニンの原料となるセロトニンの分泌をうながして体内時計を整えるためには、朝の光と朝食が大切です。朝起きたらカーテンを開けて日光を浴び、朝食をしっかり取る習慣を意識しましょう。また、就寝前にリラックスするように意識すると、スムーズに入眠でき、質の良い睡眠が得られると言われています。軽い読書や好きな音楽を聴くなど、自分に合ったリラックス方法を取り入れましょう。こうした睡眠習慣の見直しに加えて、睡眠の質の改善が期待できるビタミン剤などを取り入れる方法もあります。
届出表示:本品にはユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)を含みます。ユーグレナグラシリス由来パラミロン(β-1, 3-グルカンとして)には、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善し、起床時の疲労感を軽減する機能、作業時の一時的なストレス(イライラ感、緊張感)を緩和する機能が報告されています。
・本品は、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。

入浴には、体を温めて血行を促進する効果があります。また、体が温まると副交感神経が活発になるため、リラックスを促す働きも期待できます。入浴の際、お湯の温度は40℃前後、入浴時間は、10~15分を目安とすると良いでしょう。
40℃が熱くて入りづらい人は、38℃などのさらに低めの温度に設定して、自分の適温を見つけましょう。また、お湯に浸かる時間は、自分の体調とも相談しながら調整しましょう。
ストレスが強いとき、人は「こうでなければならない」「失敗してはいけない」といった、柔軟性の少ない考え方に陥りやすいことが知られています。また、ストレスが高まると、良い面よりも問題点やマイナスの情報に注意が向きやすくなることも報告されています。そこで意識したいのが、できるだけ、うまくいっていることや自分ができていることに目を向けるよう心がけることです。考え方や見方を少し変えるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
また、日常生活のなかでリラックスできる時間を確保し、深呼吸をする、好きな音楽を聴く、体を動かすなどして気分転換を図り、ストレスを溜め込まない工夫をすることも有効です。悩み事がある場合は、誰かに話すことで気持ちが楽になることもあります。友人や家族、同僚、趣味や地域の仲間など、普段から気軽に話せる相手を持っておくことも大切です。
体調が優れないときは、市販薬を上手に取り入れることも選択肢の一つです。疲労感、肩こり、便秘など、悩んでいる症状に合わせて選ぶことで、日常生活の負担軽減につながる可能性があります。市販薬は用法・用量を守って、正しく使用しましょう。
体調が優れないと感じたときに現れる症状やその原因は、人によってさまざまです。ストレスやそれにともなう自律神経の乱れ、栄養不足など、複数の要因が重なって心身の不調として現れることも少なくありません。
体調不良を感じた際には、まず睡眠・食事・運動といった生活習慣を見直し、心と体のバランスを整えることが大切です。症状に応じて、市販薬を上手に取り入れるのも一つの方法でしょう。
市販薬を取り入れても改善が見られない場合や、不調が長引いている場合、日常生活に支障が出ている場合には、無理をせず医療機関を受診し、医師に相談することが勧められます。自分の体が発するサインに耳を傾け、無理のない方法で体調の回復を目指していきましょう。
■参考文献
・健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html
・東京都産業労働局
https://women-wellness.metro.tokyo.lg.jp/columns/10/